2025 AUTOBACS SUPER GT Round4 FUJI GT SPRINT RACE
■レース概要
開催場所:富士スピードウェイ
開催日:2025年8月2日(土)Race1~3日(日)Race2
■オベロン スポンサーチームの結果
・GT500
| #17 Astemo CIVIC TYPE R-GT Race1 予選12位 決勝9位 Race2 予選12位 決勝13位 |
・GT300
| #60 Syntium LMcorsa LC500 GT Race1 予選17位 決勝18位 Race2 予選18位 決勝16位 |
| #96 K-tunes RC F GT3 Race1 予選22位 決勝 DNF Race2 予選19位 決勝15位 |
| #30 apr GR86 GT Race1 予選25位 決勝24位 Race2 予選26位 決勝24位 |
第4戦はスプリント形式で行われます、通常SUPER GTはドライバー交代やタイヤ交換・給油などが必要になる耐久レース寄りの要素を含むフォーマットなのですが、今回は1レースドライバー1名、タイヤ交換や給油の必用のない短めの距離(通常の1スティント程度)、予選と決勝は同じタイヤを使用。そしてサクセスウエイトなしのノーハンデレース。朝から公式練習・予選(1回)・ウォームアップ・決勝を行い、土曜の決勝はGT300/GT500混走の35周レース、日曜はGT300、GT500それぞれ単独の50分レースを行います。直近でも記録的な猛暑の今年、気温も路温も超高温が予想されていました(実際日程の重なっている鈴鹿の8耐ではレースウイーク中気温は35℃前後、路温は60℃以上でした)。
SUPER GTのタイヤは敏感で狙った温度から5℃も違うと期待するグリップは得られないと言われています、勿論狙った温度からずれても走れますがベストではないだけでなく、摩耗が進んだりピックアップが増えたりするのでシビアな勝負には臨めません。それほどに温度とタイヤ性能の関係は深いのです。
<8/2 Race1予選>
心配された台風九号は東にそれていき朝から晴天に恵まれたRace1、ただ午後遅くに雨の心配はありました。公式練習(8:30~9:30)スタートの時点で路面温度は35℃と決勝の想定よりまだだいぶ低いですが、路面の温度もコンディションもどんどん変化していくはず。走りはじめはオーバーステアに対応する調整を進めていた#17 Astemo CIVIC TYPE R-GTも後半予選・決勝に向けたタイヤに換えると今度はアンダーステア傾向が強まってしまいました。公式予選(GT500 12:10~12:20)にむけ調整を続けましたが治まらずアタックは不発で予選は12位。
全車(28台)出走の1セッションとなったGT300の予選(GT300 11:40~12:00)段階ではすでに陽炎の立つ路面の温度は54℃、第2戦の富士では予選9位に入りスピードを見せた#60 Syntium LMcorsa LC500 GTは公式練習ではグリップを引き出すのに苦戦しながらも10番手につけ予選に弾みをつけました。しかしアタックを始めるとセクター1,2の高速区間でタイムを伸ばすもセクター3の低速区間で伸び悩み予選は17位に留まりました。
高温で本来のパワーが出ていない#96 K-tunes RC F GT3は、早めにコースインし前後クリーンな状態でのアタックになりましたがブレーキトラブルが発生、ピットにもどりチェックすると前後のブレーキバランスに問題が出ておりそのまま走行終了、最期まで走りきれず予選は22位となりました。
ミシュランタイヤとのマッチングを模索する#30 apr GR86 GTは今回ダンパーをはじめとした様々な部分を見直し、セットアップの方向を大きく変えたものを持ちこみました。走りはじめからテストを繰り返すようにセットアップを進め節目節目でベストを更新していきますがタイヤに合わせきれず予選は25位となりました。
<8/2 Race1 決勝>
15:10スタートですが路面温度は57℃に上昇、オープニングラップでGT500車両のアクシデントでSCが出ますが#17 Astemo CIVIC TYPE R-GTはアンダーステア対策が効いたのかアクシデントをかわして10番手にポジションを上げていました。6周目にレースが再開するとペース良く前を追い詰め、GT300をパスしながらライバル追いつくと22周目に9番手にポジションアップ、終盤にかけて小雨がぱらつく中32周目にベストを更新するハイペースで後続を引き離し9位でチェッカーをうけました。
セクター3での苦戦を受け決勝では思い切ったセットの変更をして臨んだ#60 Syntium LMcorsa LC500 GTですが想定したペースに届かず、序盤で2つポジションを落としてしまいました。14周目には16番手まで浮上しますが20周を過ぎた当たりからペースが落ち始め再びポジションをおとします。終盤の小雨で路面温度が下がるとペースを持ち直し最後に1台をパスして18位でフィニッシュしました。
ブレーキの修復が完了した#96 K-tunes RC F GT3でしたがオープニングラップで想定外のトラブルが発生、GT500車両のアクシデントでSCが出て追い越し禁止となるのですが、直前に1台を抜き前に迫っていたシチュエーションで、前を走るライバルと減速タイミングが合わず接触。右のライト付近が破損しますがそれほど大きなダメージではないように見えました。しかし接触の衝撃でハーネスがショートし、ECUにトラブルが発生してギヤが2速に固定されてしまったのです。このレアケースのトラブルシュートからヘッドライト、ハーネス、ECU交換まで約30分の作業でコース復帰、無事トラブル解消を確認しますがすでにレースは終盤にさしかかっているためその周でリタイアとなりました。
セッティングを模索中の#30 apr GR86 GTですが、ペース自体は安定していますがストレートではGT3車両について行くのが精一杯で簡単に抜くことができません。16周目に22番手まで浮上したところ、19周目にパスされ一つポジションダウンしますが23周目には抜き返しました。しかしそこから終盤にむけてはタイヤの消耗もあり最終的には24位でのフィニッシュにとどまりました。
<8/3 Race2 予選>
昨日と同じ時間から公式練習(8:30~9:30)が始まりましたが青空の下路面温度は40℃と高めのスタート。今日の決勝はGT300/GT500別々に行われるためクラス違いをラップダウンする際の駆け引きがつかえないので、ライバルとのギャップを詰めたり追い抜きやブロックが難しくなるので予選順位の重要性は寄り高まります。
走り出しのフィーリングが好感触だった#17 Astemo CIVIC TYPE R-GTはGT500の専有走行でも8番手と良い流れで予選(11:30~11:40)に臨みました。公式練習とは違うタイヤで予選に臨みましたが予想外にアンダーが強まり、公式練習の時のようなフィーリングが得られずに13番手タイム、上位にペナルティがでて予選は12位となりました。
昨日より早くなったGT300の予選(GT300 11:00~11:20)の頃には随分雲が増えて日差しも弱まり路面温度は43℃と昨日より控えめな数字です。Race2は路面温度が下がることを想定した#96 K-tunes RC F GT3はソフト寄りのタイヤに変更。開始13分ほどたったところでコースイン、クリアラップを取るのは難しいですが路面コンディションが良くなるセッション後半に勝負を掛けました。想定より高めの路面温度のためか公式練習でのタイムを更新できず20番手、上位にタイム抹消があり予選は19位。
昨日はタイヤ性能を発揮しきれなかった#60 Syntium LMcorsa LC500 GTは公式練習では積極的にピットインを繰り返し、グリップレベルを上げるべくセットアップを進めました。調整に車体は変化しますがグリップレベルに変化は出ません。それでもタイムは13番手と悪くないポジションですが、予選のアタックでそのタイムを更新できず19番手、予選18位から巻き返しを狙います。
#30 apr GR86 GTはRace1と同じミディアムタイヤを使用、前日に詰めたセットアップが効いて公式練習でのタイムは2秒以上向上、精力的にマシンバランスの調整を進め予選に臨みますが、まだ本格アタックにまで届かず26番手27位。決勝に向け諦めずトライを続けます。
<8/3 Race2 決勝>
2レース行うため昨日より早めのGT300 Race2(14:15~15:05)決勝。気温32℃路面温度42℃とRace1よりおとなしいコンディション。好スタートを決めたのは#96 K-tunes RC F GT3、オープニングラップに3つポジションを上げ16番手で帰ってくるとソフトタイヤを活かし前半から積極的プッシュしました。スタート10分後(6周)には4番手、13分後(8周)には一つポジションを落としますが、12番手集団に追いつきます。28分後(18周)、後方から追い上げてきていた#8 METALIVE S Lamborghini GT3とのドッグファイトがはじまりました。コーナリングのよい#8 METALIVE S Lamborghini GT3が最終コーナーで前の出るとストレートスピードが伸びる#96 K-tunes RC F GT3がTGRで抜き返し、コカコーラコーナーで再び抜き返されるという特性を活かしたバトルが繰り返されました。競り合いが続いても前のグループとのギャップを詰め39分後(24周)には1秒半の間に4台がひしめく13番手争いとなりました。この争いはラストラップまで続きましたが#96 K-tunes RC F GT3は前に出られず16番手でフィニッシュしました。入賞は逃したかと思われましたが上位のペナルティがでてリザルトは15位となりポイントを持ち帰る事が出来ました。
このドッグファイトのすぐ後ろを追いかけていたのが#60 Syntium LMcorsa LC500 GTでした。今大会を通じてタイヤのグリップを引き出せず苦戦をつづけています。3分後(2周)に17番手にポジションアップし#96 K-tunes RC F GT3が走る集団を常に視界にとらえる位置で周回を重ねました。すぐそこにいるのですが約2秒のギャップが釘を打ったように縮まりません。ラップタイムは安定しており位置取りは変わらず単独走行のまま17番手でチェッカー、リザルトは16位です。残念な結果となりましたが次の鈴鹿では好感触だった前回テストを活かし会心のレースを披露したいところです。
タイヤとのマッチングに苦戦しているのは#30 apr GR86 GTも同じでした。レース序盤は乗りやすく速いペースを維持出来10分後(6周)には24番手に浮上、前の集団を約1秒以内で追いかけましたが15分後(10周)あたりから徐々に遅れをとりだし、終盤はタイヤの摩耗が進行し大幅にタイムを落とすことになってしまいましたがなんとか24位でフィニッシュ。今大会はタイヤの温度レンジが全くあっていなかった様で、Race2など左のリアはトレッドに大きなダメージが進行しており完走出来たのは幸いでした。次はホームコースの鈴鹿なのでまた違ったレースを展開出来るのではないでしょうか。
GT500のレースが始まる頃(16:50)にはすっかり雲も厚くなり気温29℃路面温度37℃と昨日の決勝と比べると20℃近く低いコンディション。#17 Astemo CIVIC TYPE R-GTはスタートから集中力の高い走りで開始3分後(2周)には2つポジションを上げてきましたが、翌周には再び12番手にポジションダウン。やはりGT300を利用した駆け引きがつかえないので他車との距離が近い前半から積極的な走りが目立ちました。7分後(5周)には全体は落ち着きましたが各所で攻防がはじまりました。#17 Astemo CIVIC TYPE R-GT も後方からプレッシャーを強めてきていた#23 MOTUL AUTECH Zと15分後(11周)にはサイドバイサイドの争いに進展しましたが、そのタイミングで11番手をパスして後方とのギャップを広げました。レース後半再び後方からのプレッシャーが高まる中43分後(30周)10番手にポジションを上げ逃げ切ることができるかなと思いましたがラストラップついに#23 MOTUL AUTECH Zに掴まってしまい11番手でフィニッシュ。さらにレース中のタイムペナルティが加算されリザルトは13位となりました。次の鈴鹿では昨年2レースともしっかり成果を上げているので取り戻したいところです。
GT500 Race1は ウエイトを積んでも速かった#1 au TOM'S GR Supraがウエイトゼロの今大会はやはり速く予選2番手から逆転優勝。Race2 では#14 ENEOS X PRIME GR SupraがRace1でのクラッシュから復活しポールトゥウインで今季初優勝。
GT300 Race1 Race2は、なんと#777 D'station Vantage GT3が連勝、どちらでもトップに立つとポジションを譲ることなく逃げ切り強さを見せました。
第4戦の応援ありがとうございました!新しいフォーマットで行われたスプリントレースはいかがでしたでしょうか。連日の1dayレースはチームにとっては大変だったと思いますが、両日で8万人超えのお客様には楽しみが増えて良い大会だったのではないでしょうか。Race2の単独レースを観ることで混走の醍醐味や道具を使う競技ゆえの面白さ、自然を相手にしているスポーツなんだなという面も再確認しました。
次の鈴鹿も苛酷なコンディションが予想されます、現地で観戦される方はしっかり対策された上で熱いバトルをお楽しみ下さい。今回オベロンがサポートする4チームは苦戦となりましたが、引き続き#17 Astemo CIVIC TYPE R-GT、#96 K-tunes RC F GT3、#60 Syntium LMcorsa LC500 GT、#30 apr GR86 GTへの応援よろしくお願いいたします!
■公式リザルト
公式リザルト GT500
Race1https://supergt.net/result?series=2025>_class=gt500&race_num=3&round=Round4
Race2https://supergt.net/result?series=2025>_class=gt500&race_num=6&round=Round4
公式リザルト GT300
Race1 https://supergt.net/result?series=2025>_class=gt300&race_num=3&round=Round4
Race2 https://supergt.net/result?series=2025>_class=gt300&race_num=6&round=Round4
#17 Astemo CIVIC TYPE R-GT レポート
Race1https://www.real-racing.jp/?p=14680
Race2https://www.real-racing.jp/?p=14681
#96 K-tunes RC F GT3レポート
Race1https://k-tunes.com/sokuho/shingle0007/
Race2https://k-tunes.com/sokuho/shingle0008/
#60 Syntium LMcorsa LC500 GTレポート
Race1https://www.as-web.jp/supergt/1237689
Race2https://www.as-web.jp/supergt/1238511
#30 apr GR86 GT
https://supergt.net/wp-content/uploads/2025/08/30_rd4_FSW_rep.pdf
