2023 AUTOBACS SUPER GT Round2 FUJIMAKI GROUP FUJI GT 450km RACE
(2023 SUPER GT第2戦 FUJI)
■レース概要
開催場所:富士スピードウェイ
開催日:2023年5月3日(水)~4日(木)
(3日…晴れ/ドライ、4日…晴れ/ドライ)
■オベロン スポンサーチームの結果
・GT500
#17 Astemo NSX-GT | 予選8位 決勝3位 |
・GT300
#96 K-tunes RC F GT3 | 予選10位 決勝9位 |
#30 apr GR86 GT | 予選22位 決勝18位 |
#60 Syntium LMcorsa GR Supra GT | 予選11位 決勝23位 |
部品の共通化の進むSUPER GTの中でも現在進行形で開発が進んでいるのはやはりGT500のエンジンでしょう。パワーと燃費の向上のため熱効率を追及してしている中では僅かな違いで燃焼に違いが出てくるとききます。今年から導入されたCNF(カーボンニュートラルフューエル)を使うとハイオクガソリンよりわずかに熱効率が落ちることが考えられるそうです。実際ハイオクに比べると燃えにくい場面もあるようで以前よりも排気管からの煤が目立ったり、ブローバイの影響も気になるところ。とはいえ対応は進んでおり第2戦においてもハイオクとの差はパフォーマンス的にほぼ無いところまできています。今後導入予定のGT300のパフォーマンスの変化にも注目です。
燃料に関していうと今回の450kmレースでは2度の給油が義務づけられています、給油時毎のドライバー交代は義務ではありません。SC(セーフティーカー)導入中でもピットレーンがオープンの場合は給油することが出来ますが義務にはカウントされません。
<5/3 予選>
事前テスト、開幕戦と雨の続いていた今シーズンですがようやくドライでの公式セッションを迎えました。各チームとも今シーズン初のフルアタックでどんな走りを見せてくれるでしょうか。ここ最近富士では巡り合わせの悪い#17 Astemo NSX-GTですが今回は走り出しから手応えが良さそう、ただ初めてのドライの富士で初めてのタイヤと簡単には行かない条件です。6番手でQ1を突破すると慎重にウォームアップしながらタイムを詰めていきラストアタックを前に3番手、最後の一周はライバル達に比べ僅かに伸びしろが少なく8位となりましたがポールとの差は約0.5秒、決勝に期待がかかります。
公式練習から順調にテスト項目を確認していった#96 K-tunes RC F GT3はミディアム、ハードどちらのタイヤも好感触で、決勝を見据えたロングランでも良いデータを確認できポジティブな印象でQ1にのぞむと、ペースの速いB組を5位で突破するとQ2でもタイムアップしますが路面温度の影響かライバルよりアップ幅が小さく予選を10位で終えました。とはいえ予選での最高速ランキングでは2位を記録しておりあなどれませんョ。今年のGTA-GT300は空力のレギュレーションに変化がありボディとアンダーフロアのルールがアップデートされました。ようやくドライでの本格的なアップデートの効果を確認できた#60 Syntium LMcorsa GR Supra GTは昨年よりダウンフォースを減らさずに前後のバランスが向上しよりニュートラルなハンドリングに近づきました。公式練習では目立ったタイムは記録しませんでしたがQ1B組では予選用のアジャストが功を奏し6番手Q2では安定してQ1よりタイムを詰めていきましたが上位には手が届かず11位となりました。公式練習では中段のタイムを記録していた#30 apr GR86 GTはまだ路面が出来上がっていないA組ですがQ1ではタイムが伸びず22番手から決勝に臨みます。
<5/4 決勝>
決勝日も快晴の観戦日和となりチケットも完売し二日間で8万人をこえる観客がつめかけました。若干風があるためかスタート前の路面温度は38度と競技者にとっても絶好のコンディション。GT500では導入済みのカーボンニュートラルフューエル(CNF)は今のところ低温では若干ブローバイが多くオイルの燃料希釈が気になる場面もあるようですが今回は問題ないのではないでしょうか。
スタート1時間半前に20分間行われるウォームアップ走行は決勝前の最後の確認の場となるのですが、#60 Syntium LMcorsa GR Supra GTが3周目に緊急ピットイン、排気管出口の触媒接続部分が外れ、流れが変わってしまった高温の排気が車体後部の配線を焼いてしまったトラブル。脱落自体 GR Supra GTでははじめての事態でしたがスタートまで時間もないため応急処置で対応、無事グリッドに並びました。 パレードラン・フォーメーションラップを経て無事にローリングスタートがきられました。ただ#17 Astemo NSX-GTはスタート直後のつばぜり合いに巻き込まれポジションを2つ落とし10位で1周目を終えますがライバルをピタリとマーク、7周目に1台パスして8位さらに前との間合いを図りながら周回を重ねます。22周目になると1回目のピット作業にはいる車が出始めるのにあわせて順位が浮上していきます。34周目には3位、トップを走る2台より速いペースです。40周目GT500では最後に1回目のピット作業に入ります、ドライバーも交代するフルサービスをうけ10位でコース復帰。50周を超えるころにはトップと変わらないスピードで追い上げました。2度目のピット作業は76周目、給油とタイヤ交換を済ませてコースに戻り周回ごとにフィーリングを取り戻すと次第にトップを上回るペースで周回を重ねるものだからすぐに4位に追いつきました、90周を超えた時点で4位5位6位3台によるドックファイトへと展開、数周にわたって繰り広げられたバトルはポジションを落とす場面もありましたが96周目には4位に上がりさらにプッシュを続けますが、99周目に前を行く車がガス欠でピットに戻り#17 Astemo NSX-GTは3位に。そしてそのままのポジションでチェッカーをうけ今期初表彰台を獲得、トップには届きませんでしたが車のスピードもチームワークもハイレベルで次の鈴鹿につながる良いレースになりました。
#96 K-tunes RC F GT3は奇をてらわず正攻法で450kmレースを闘いました。レースを3等分し一回目でドライバー交代し、残りの2スティントは通しで走り抜く作戦です。オープニングラップを9位で戻ってくると、早めに一回目のピット作業をする作戦の車が現れ始め徐々にポジションが浮上していきます。10周目には7位になりますがペースがもう一つ伸びないのか抜きつ抜かれつとなりました。ふたたび7位に落ち着いた28周目に1回目のピット作業に入りドライバー交代、その際車を短い時間でアジャストし19位でレースに復帰するとペースを取り戻しライバルとのギャップを確実に詰めていきました。50周目に8位54周目には6位、73周目GT300では最後になった2回目のピット作業に入った時点では3位、ここで作業時間を少しでも短縮するため、消耗の多い左側のタイヤ2本だけを交換、10位でコースに復帰すると右側のタイヤは温まっているのでアウトラップからペース良く、自己ベストも更新しながら周回を重ね最終的には9位でフィニッシュ。チームも車も力を充分発揮できたレースとなりました。次回の得意な鈴鹿ではもう一歩進めて優勝争いに加わりたいところです。
#60 Syntium LMcorsa GR Supra GTは混戦の序盤にチャンスを逃さずに3周目には6位までポジションを上げて行きますがここからペースが落ち始め9周目に緊急ピットイン。再び同じ排気系トラブルが発生しまったためでした。修復には30分程を要し勝負権は失ってしまいましたが完走ポイントを狙って再びコースに戻ります。復帰後は良いペースで問題無く走り切り23位でチェッカーを受けました。今回のトラブルはまったくの想定外でポイントは充分狙えるポテンシャルを発揮していたので非常に残念な結果でした。2回目のトラブル時にはエキゾーストパイプに穴を開けボルトナットで締結した上バンドで縛り、時間はかかりましたがしっかり対処しコースに戻しました。次回の鈴鹿も相性良いと考えているサーキット、万全の体制で臨み450kmを制したいと思います。
#30 apr GR86 GTはオープニングラップでジャンプアップ、18位に進出するとジワジワ順位をあげていきます。25周目には9位を記録しますがここから少しずつポジションダウン、すかさず27周目に一回目のピットイン、コース復帰後22位から少しずつ順位を戻していき、49周目には13位まで回復した後2度目のピットイン。20位から一時16位まで進出しますが最終的には18位でフィニッシュしました。
GT500はピットワークもドライビングもパーフェクトな仕事をした#36 au TOM'S GR Supraが優勝。開幕戦の雪辱をはたしました。
GT300は公式練習・予選・決勝をパーフェクトに制した#52 リアライズ日産メカニックチャレンジGT-Rが今季初優勝。
第2戦の応援ありがとうございました。前回とうって変わってFCY(フルコースイエロー)もSC(セーフティーカー)もでないクリーンな争いとなりスピード勝負のガチンコ対決となりました。様々な性能がつきつめられたSUPER GTではシーズン初のドライ走行、戦略に幅のある450kmと難しい条件がそろった大会だったかも知れませんがどちらも勝ったチームは強かったです。とはいえオベロンがサポートする#17 Astemo NSX-GT、#30 apr GR86 GT、#60 Syntium LMcorsa GR Supra GT、#96 K-tunes RC F GT3も実力伯仲ゆえ6/3~4の鈴鹿にもご注目ください! 引き続き応援よろしくお願いいたします!
■公式リザルト
https://supergt.net/results/index/2023/Round2
#17 Astemo NSX-GT レポート
https://www.real-racing.jp/?p=13095
#96 K-tunes RC F GT3レポート
http://supergt.net/upload/GT2023_Round.2_%E6%B1%BA%E5%8B%9D.pdf
#60 SYNTIUM LMcorsa GR Supra GTレポート
http://supergt.net/upload/2023_SGT60_LMcorsa_Report_rd.02_fuji_final.pdf
30 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GTレポート