2022 AUTOBACS SUPER GT Round4 「FUJIMAKI GROUP FUJI GT 100Lap RACE」
(2022 SUPER GT第4戦 FUJIMAKI GROUP FUJI)

■レース概要
開催場所:富士スピードウェイ/開催日:2022年8月6日(土)~8月7日(日)
(6日…曇/ドライ、7日…晴/ドライ)

■オベロン スポンサーチームの結果
・GT500

#17 Astemo NSX-GT予選15位 決勝10位

・GT300
#30 apr GR86 GT 予選19位 決勝15位
#60 Syntium LMcorsa GR Supra GT予選7位 決勝4位
#96 K-tunes RC F GT3予選6位 決勝5位

標準的なレース距離は300kmまでですが、今シーズンはそれの50%長い450kmのレースが今回の富士を含め3度開催されます。この長距離レースのポイントは「給油をともなうピットイン義務2回」のようです。つまり毎回ドライバー交代やタイヤ交換をしなくても良いのです。給油中にドライバー交代はできますがタイヤ交換はできません。満タンでスタートするとGT500だとレース中にトータル50秒ほど(GT300だと車により結構変わる)の給油が必用、タイヤ交換12秒(フロント6秒リヤ6秒)、ドライバー交代は30秒。ドライバー交代は全ての作業と重ねて出来ますが、それぞれの作業の組合わせでピット作業でもレースを戦えるのです。一例をあげるとタイヤ無交換で12秒短縮するのと次のスティントのタイヤ消耗によるタイムの落ちを天秤にかけたり、ニュータイヤのライバルとのラップ差やコース上のトラフィックを想定したり。作戦の組み合わせは膨大で車の速さだけではないチーム力も問われる面白いレースが予想されます。
なおレース距離が長いのでサードドライバーの登録が認められています。

<8/6予選>
レース前の連日の真夏日から暑いレース想定していた側としては予選日の温度は想定外でした。朝から濃霧が立ちこめ、朝の公式練習ではウエット宣言が出るほど。幸い路面はドライになっていきますが予選でも強い日差しはもどらず気温21度、路面温度28度と秋の様なコンディションでした。
当然高温を想定したタイヤを持ち込んでいる各チームは悩ましい予選。36kgと4番目に重いサクセスウエイト(SW)を積むGT500 #17 Astemo NSX-GTは練習走行から振るわず、Q1では丁寧にウォームアップしアタックに臨みますがQ1 突破ならず15位敗退、しかしQ1トップまでわずか0.8秒差と拮抗しており、前戦よりブラッシュアップした各車の差は僅差ととらえ長距離レースとなる決勝でチーム一丸となって巻き返しを狙いたい所です。
GT300 では#60 Syntium LMcorsa GR Supra GTが2ヶ月のインターバルの間に改良を重ねたパフォーマンスを練習走行時のコンディションでは100%発揮できませんでしたが、予選にむけた調整で1.5秒ほど練習走行よりタイムアップ、グループA6位でQ1と突破するとQ2でもさらにタイムを伸ばし予選7位に滑り込みました。
#96 K-tunes RC F GT3は高温を想定したダンロップタイヤが今回の低温をカバーできるか不安を感じながらの予選でしたが、ベテランドライバーの懐の深さか、タイヤの理解を深めることでスピードを発揮。グループB6位、Q2でも完璧なアタックで6位を勝ち取りました。決勝ではタイヤを身方に付け富士との相性の悪さを払拭する闘いを繰り広げたいところです。
#30 apr GR86 GTは初年度のクルマらしく初のSW(サクセスウエイト)の影響を実践で確認、さらに第3ドライバーのウォームアップをしつつ予選に向けて調性をすすめます。午後の予選では温度も上がってくるとの読みでしたが一向に変わらない天候に肩すかしをくらった格好で本来の走りができずQ1A組11番手、明日の決勝は19番手からのスタートとなりました。

<8/7決勝>
日曜は日差しを取り戻すと夏に逆戻り、スタート前の一雨で路面温度は33度とやや下がりましたがスタート後は影も濃くなり暑い100lap(450km)レースとなりました。#17 Astemo NSX-GTは6周目までに12位までポジションを上げますがその後はライバルとの争いで苦戦が続きます。20周目に一回目のピットインでは給油のみでドライバー、タイヤはそのまま。最小限のタイムロスでコースに戻りポジションを稼ぎます。34周を過ぎるとライバル達の一回目のピットインが始まりポジションを6位まで引き上げました。57周目に2度目のピットインをするとドライバーを交代しフルサービス(給油・4輪タイヤ交換)を受け13位でコース復帰、このまま最後まで走り切ります。71周目にベストタイムを更新し79周目に11位、87周目には10位へポジションアップするも88周目に抜き返されてポイント圏外へ。しかしここからさらにヒートアップ97周目には再び10位にあがりそのままフィニッシュ。このレースウイークずっと悩まされていたオーバーステア傾向を引きずりながらも粘り強い走りで貴重なポイントを獲得しました。次回の鈴鹿は第2戦のように表彰台に上れるよう再び体制を整えてチャレンジです。

今シーズンの最上位からスタートした#60 Syntium LMcorsa GR Supra GTは序盤から好調、3周目には5位までポジションアップ、5周目には自己ベストを記録するなどハイペースに周回をかさね20周目に1回目のピットイン。給油とタイヤ交換をしますがドライバーは交代せずに17位でコース復帰。やがて上位にも1回目のピットインをする車が増えていき30周目には9位までポジションを戻します。コース復帰後もハイペースはかわらずトップ3と遜色無いラップタイムで周回し、全車が1回目のピットインを終えた45周目には2位までポジションアップ。レースも折り返しを過ぎた56周目に2回目のピットイン、フルサービスとドライバー交代を実施し12位でコース復帰、さらなるペースアップを狙いますがコンディションの変化からかレース前半の様な走りが出来ません。それでも60周目には9位、65周目には7位までポジションをもどし、全車が2回目のピットインを終えた79周目には4位に浮上。残り11周集中力を切らさず走り切り今季最上位でフィニッシュ。表彰台まで後一歩、悔しくもありますがようやく本来のパフォーマンスを発揮できたことの喜びもあります。今回の結果を鈴鹿での表彰台につなげて行きたいところです。

そのすぐ後ろでプレッシャーをかけ続け5位でフィニッシュしたのは#96 K-tunes RC F GT3でした。昨日の涼しい予選でも力を発揮したソフトタイヤでも日曜のコンディションには少しきびしいようでスタート直後は防戦一方となりますが17周目1回目のピットインでニュータイヤにフルタンク、ドライバーも交代して22位でコースに復帰。これで仕切り直しとなり本来のスピードを発揮、ポジションを回復していきます。36周目にはトップ10にもどしても勢いは止まらず、安定して良いペースで周回を重ねた結果2回目のピットイン前の62周目には2位までポジションも上がっていました。フルサービスにドライバー交代もして9位でコース復帰。後半もスピードは衰えず前との差を詰めて行くなか上位が次々とトラブルで脱落、残り10周をきる時点では前を走る#60 Syntium LMcorsa GR Supra GTとは約1秒差、4位まで手の届く所を走りましたが結局このまま5位でフィニッシュ。苦手とする富士での連続ポイント、さらに今季3戦連続の入賞と良い流れをつかんでいる様子、シーズン後半戦の走りに注目です。

決勝前のウォームアップでマシンバランスが回復していることを確認した#30 apr GR86 GTは、スタートダッシュでオープニングラップに16位に浮上すると、ペースを保ったまま序盤を走行し20周目に早めのピットイン、ドライバー交代と給油のみでコースに戻った時は21位。ここから前を追って28周目には16位にもどしますが苦しい走行を続けています。どうやらタイヤ無交換のためにペースが上がらない様子です。予定外ですが34周目にピットインしタイヤ交換とともにフォーミュラで活躍中のサードドライバーに交代しました。ロングスティントとなるためタイヤを労りながら前を追っていきますがペースは良く、順調にポジションを戻していきます。48周目には16位にもどし61周目には14位に上がりますが、どうやらタイヤと燃料が最後まで持たない計算に。残念ですが74周目に3度目のピットイン、17位から再びプッシュし最終的には15位で無事フィニッシュしました。今回は流れが悪く悔しいレースとなりましたが問題は解っていることなので切り替えて次に挑みます。

今回はSC(セーフティーカー)が出ずFCY(フルコースイエロ−)も一回とスムーズな進行でしたがレースは熱い内容でした。GT500は序盤からずっとトップを快走していた#24リアライズコーポレーション ADVAN Zを2番手の#37 KeePer TOM'S GR Supraが2回目のピット作業を驚速でクリアして逆転、そのまま逃げ切り優勝しました。GT300はトップ走行中の3台が次々とトラブルで後退、最終的にはFIA GT3とGT300規定の車両がそれぞれの特色を生かしたドッグファイトをくりひろげGT300規定の#61SUBARU BRZ R&D SPORTが逆転優勝しました。

第4戦応援ありがとうございました。今季2度目の富士は長距離レースならではのチーム戦略が機能して終盤まで目の離せない闘いでした。シーズン折り返しをむかえてもGT500 GT300どちらのクラスも毎戦新しい優勝チームが生まれています、後半戦に向けオベロンサポートチームも優勝をめざしていきますので応援よろしくお願いします!次回は8/27~28真夏の鈴鹿の450kmレース、今回にもまして熱いレースが繰り広げられると思います、ご注目ください!

公式リザルト
https://supergt.net/results/index/2022/Round4

#17 Astemo NSX-GT レポート
https://www.real-racing.jp/?p=12465
#96 K-tunes RC F GT3レポート
http://supergt.net/upload/GT2022_Round4_%E6%B1%BA%E5%8B%9D.pdf
#60 SYNTIUM LMcorsa GR Supra GTレポート
http://supergt.net/upload/2022_SGT_60_Report_rd.4_Fuji_final.pdf
#30 apr GR86 GTレポート
https://www.as-web.jp/supergt/848643