2023 AUTOBACS SUPER GT Round5 SUZUKA GT 450km RACE
(2023 SUPER GT 第5戦 SUZUKA )

■レース概要
開催場所:鈴鹿サーキット
開催日:2023年8月26日(土)~27日(日)

■オベロン スポンサーチームの結果
・GT500

#17 Astemo NSX-GT予選3位 決勝4位

・GT300
#96 K-tunes RC F GT3予選2位 決勝8位
#60 Syntium LMcorsa GR Supra GT予選6位 決勝12位
#30 apr GR86 GT 予選18位 決勝17位

真夏のレースらしく温度的にも熱いレースが続きますが、締め切ったコクピットの中でドライバーの熱対策はどうしているのでしょうか。
実はレギュレーションでエアコンが推奨されており、それが無い場合はクールスーツの着用が義務づけられています。事実GT500のマシンは全車エアコンがついており送風ではなく冷風が吹き付けられているようです。勿論コクピット全体を冷やすのは効率が悪いのでドライバーとダクトで結んで直接冷やしたりしてスポットで効率よく使っています。
GT300の場合はエアコンではなくクールスーツの方が一般的なようで、それも氷などで冷やした冷却水をポンプで循環させるといったようなシンプルなものがトラブルも少なくエンジンのパワーロスも無いため使い勝手が良いようです。冷え冷えの状態は思ったほど長くは続かないと聞きましたが、有ると無いとでは大違い。外気の導入などはありますが熱はこもりやすいのでクールスーツのトラブルはドライバーのパフォーマンスに直結する問題です。

<8/26 予選>
第5戦の鈴鹿は残暑とは呼べない真夏の暑さ、9時過ぎの公式練習の開始時には気温33℃、路面温度は39℃ですがこちらはどんどん上がるでしょう。コースや温度に合わせたセットを予選決勝に向けて調整確認していきます。#17 Astemo NSX-GTは走りはじめからアンダーステア症状がでて対策に追われますがそれでも公式練習は4番手タイムを記録。予選に向け再度対策を施しQ1は6番手、この時の車の状態をブラッシュアップして臨んだQ2ではさらにタイムを詰め4位を記録。その後上位にペナルティがでて明日の決勝は今シーズン最上位の3位からスタートすることになりました。
GT300の予選が始まる15時20分には路面温度は52℃まで上昇、想定どおりとはいえ厳しいコンディションになってきました。
第4戦で#96 K-tunes RC F GT3は序盤のマシントラブルで下位に沈みましたが走行ペースは非常に良く鈴鹿に繋がるレースでしたが、はたして午前の公式練習から2分を切ってくるハイペース。温度の上がったQ1ではタイムが鈍りましたがそれでもQ1A組8位で通過、フィードバックを受けてきっちり修正したQ2では2位を記録、今シーズンベストポジションのフロントローからのスタートです。
鈴鹿がホームコースの#60 Syntium LMcorsa GR Supra GTも前戦にくらべアンダー傾向の走り出しで合わせ込みに苦戦しましたが、予選では状況が好転、アタック中にスロー走行している車に引っかかってしまいタイヤのベストコンディションを逃した状態でしたが5位でQ1B組を突破。Q2でもベストな走りでタイムアップし、決勝は6位から表彰台を目指します。 #30 apr GR86 GTは公式練習中に大幅にセットを変更、調整を繰り返します。予選では決勝でのロングランを想定した硬めのタイヤで臨みましたが、タイムアタックにはやや難しく僅差でQ1B組9位敗退。18位からの決勝ですがセットはしっかり決まっているので切り替えて臨みます。

<8/27 決勝>
ピークは越えましたが15時前のスタート時には路面温度50℃を記録、夏の鈴鹿らしいハードなコンディションのもとレースが始まりました。予選ではQ2に進んだ8台の内5台がNSXと仕上がりの良さをみせています。#17 Astemo NSX-GTは今シーズンが最後のNSXにラストイヤー初勝利をもたらすことができるでしょうか。#17 Astemo NSX-GTはスタート良く3位のポジションをキープして序盤を走行、11周目にFCY(フルコースイエロー)をキッカケに上位2台は1回目のピットイン、18周目トップに浮上した#17 Astemo NSX-GTは単独走行でプッシュし、先に動いたライバル達に差を着けたいところですが逆に1回目のピットを終えた段階で8番手に後退、その後4位集団の中で6位までポジションを上げますが集団の中で良い流れを掴めず早めの42周目に2度目のピットイン。13位でコースにもどるとライバル達がピットインするたびに順位が浮上し49周目には6位まで回復。57周目には3位集団の4位を走行しますがデグナーでGT300との接触の際に5位に後退。マシンにダメージはありませんでしたがポジションを上げることができないまま5位でチェッカー、その後上位にペナルティが出て4位と言う結果になりました。チャンピオンシップを争うにあたり優勝を狙った第5戦ですが僅かに及ばず残念な結果でしたが残り3戦諦めない走りでポイントを重ねていきたいところです。

フロントローからスタートした#96 K-tunes RC F GT3は序盤2位をキープしますがタイヤの内圧が上がりすぎて徐々にペースダウン、11周を過ぎたあたりからポジションを下げていきますがチーム戦略上すぐにピットにもどることはできず我慢の走り、24周目にようやくピットインしてフルサービス、空気圧もフィードバックして仕切り直し。20位から追い上げを開始するとペースを取り戻し40周目には8位までポジションを回復して2度目のピットイン、ここからファステストラップを記録しながらフィニッシュまで一気に走り切りました。残念ながら上位まで届きませんでしたが8位でフィニッシュ、今季ベストリザルトです。今回のデータを次に生かしSUGOでは表彰台を狙います。

#60 Syntium LMcorsa GR Supra GTは早々に5位に浮上すると戦略どおり早めのピットイン、渋滞の無いポジションをハイスピードで追い上げる作戦、21位でコースに復帰するとベストラップを記録しながらポジションを回復し30周目には9位を走行、しかしこのころからグリッが厳しくなり始め徐々にタイムが落ちてきました。すぐにピットに戻したい所ですが後半の展開を考えるとコース上で粘るしかなく41周目に2度目のピット作業を終えた段には15位、その後47周目には12位まで浮上しますが、単独走行では良いペースで走れてもライバルを追い抜く程のパフォーマンスは発揮できず12位でチェッカーを受けました。前回の好感触にホームの利を加えて上位フィニッシュを目指しましたが悔しい結果となりました。しかしミスもトラブルも出なかったことをポジティブにとらえて相性の良いSUGOでスピードアップを狙いたいところです。

後方からのスタートとなった#30 apr GR86 GTですが、ウォームアップでも決勝を想定した良いペースを発揮できていたのでじっくり450kmの攻略に取り組みました。序盤からピットに戻るライバルをよそに空いたコースを上位と遜色無いペースで周回でき10位まで浮上した16周目に予定どおりの1回目のピットイン、順位を下げますが好ペースでリカバリー出来るはずでしたがこのスティントでトラブル発生、後半からデフが不調となり走行は出来るがパンチのある走りができなくなり思うようにペースが作れません。47周目に2度目のピットインを終えますが状況はかわらず辛い走行となりましたがなんとか完走、17位でチェッカーを受けました。トラブルの原因究明は徹底しますがそれとは別に予選への取り組みも強化し、より上位から闘うことで戦略の幅を広げて行きたいところです。

GT500は予選から速さを発揮した#16 ARTA MUGEN NSX-GTが決勝でも変わらぬスピードを見せNSXの今季初優勝を飾りました。
GT300は下位からのスタートだった#18 UPGARAGE NSX GT3がピットタイミングを引っ張り気味に我慢し、FCYのタイミングを逃さずピットインによるロスタイムを大幅にカットしてトップに躍り出るとそのまま逃げ切り今季2勝目を手にしました。

第5戦も応援ありがとうございました。ノーポイントだったチームもポイントを取ったチームも後半にむけて課題を見つけたレースになったようです。それぞれのチームに即した取り組みで残り3戦を闘い乗り越えていくか注目です。次回のSUGOは9/16~17と時間はあまりありませんが、オベロンのサポートチームの活躍にご期待下さい。応援よろしくお願いいたします!

公式リザルト
https://supergt.net/results/index/2023/Round5
#17 Astemo NSX-GT レポート
https://www.real-racing.jp/?p=13379
#96 K-tunes RC F GT3レポート
https://www.as-web.jp/supergt/983358
#60 SYNTIUM LMcorsa GR Supra GTレポート
https://www.as-web.jp/supergt/975299
#30 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GTレポート
https://www.as-web.jp/supergt/983931