2021 AUTOBACS SUPER GT Round8 「FUJIMAKI GROUP FUJI GT 300km RACE」
(2021 SUPER GT第8戦 FUJI)
■レース概要
開催場所:富士スピードウェイ/開催日:2021年11月27日(土)~11月28日(日)
(27日…晴/ドライ、28日…晴/ドライ)
■オベロン スポンサーチームの結果
・GT500
#17 Astemo NSX-GT | 予選10位 決勝リタイア |
・GT300
#30 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT | 予選16位 決勝16位 |
#60 SYNTIUM LMcorsa GR Supra GT | 予選3位 決勝1位 |
#96 K-tunes RC F GT3 | 予選19位 決勝19位 |
SUPER GTでは大きく規定の違うGT500とGT300の2クラスが混走している関係で(コースによるが予選タイムで7秒程度の差がある)コースの至る所でオーバーテイクが行われますが、GT300の中でも三つの規定の車が特徴を生かして競い合っています。
FIA GT3(K-tunes RC F GT3) 国際自動車連盟の定めるGT3規定に準じた車両で各国の自動車メーカーが製造するレース専用車両です。購入してきた車両でそのまま参戦出来るのとパワーが魅力ですが改造範囲が狭いのが難点です。
GT300(SYNTIUM LMcorsa GR Supra GT・TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT) 日本自動車連盟が定めるGT300用車両です。車室部分を残すなどの制約はありますがその他はかなり自由に製作できるのが特徴で、レーシングカーとして深く手を入れていくことが出来ますがパワーの点で大きな制約を受けるのが難点です。
GT300 MC (TOYOTA 86 MC) ローコスト・ハイパフォーマンスを目指してSUPER GTを統括するGTアソシエーションが販売しているマザーシャーシとエンジンを使用して製作された車両です。レーシングカーとしてのポテンシャルは高いけれども性能調整の制約が厳しく実力をすべて発揮しにくいのが難点です。
それぞれの規定によってパワーや燃費、空力性能などなど長所短所があり、サーキットによって強かったり苦戦したりする場面があることを知ると、さらにレースを興味深く見ることができると思います。
<11/27予選>
2020年同様最終戦となった富士は、マシンたちのサクセスウエイトがはずされ性能差が急接近。さらに気温が低くなるこの季節はエンジンがパワーを発揮しやすくなりますが、路面温度は低くなりがちなのでタイヤとのマッチングも重要ポイント。チャンピオンの可能性を残したマシンも多いためハイスピードの超混戦が予想されます。したがって予選の重要度も高く、ポールポジションの1ポイント獲得やライバルより良い位置からのスタートを目指して白熱した予選が展開されます。
ランキングトップと8ポイント差、ライバル2チームよりも前からスタートしたい#17 Astemo NSX-GTですが、前戦までと違い公式練習から手応えがよくありません。予選の前に積極的な変更を行い、これがポジティブな方向に進みましたが、僅かにタイムがたらずQ1敗退。決勝は10位からとなりましたがクルマの調子は回復傾向なので後方からの追い上げに期待です。
GT300クラスはチャンピオン争いからは離れてしまいましたが有終の美を飾るべく全力投球です。
第2戦の富士で優勝している#60 SYNTIUM LMcorsa GR Supra GTは持ち込みのセットから手応え良く公式練習を4位で終えるとQ1をB組み2位でクリアするとQ2ではコースレコードにあと僅かというタイムで予選3位を獲得。
富士がホームコースの#30 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GTも公式練習から順調で予選決勝に向けたメニューをスムーズにこなすと、迎えたQ1をタイムの接近していたB組みを5位で突破、Q2は路面温度の低下に足下をすくわれ16位にとどまりました。ただQ1Q2ともに温まる前にスリップを経験しているので決勝では冷えている時は要注意かもしれません。
#96 K-tunes RC F GT3も低い温度に苦戦している模様でした、それでも決勝を見据えたタイヤ選択で臨んだQ1ではA組みであれば突破出来るタイムでしたが接戦のB組みでは僅かに足らず敗退、決勝は19位からの追い上げとなりました。
<11/28 決勝>
快晴の日曜の路面温度は予選より10度近く上がりましたがそれでも23度。ウォームアップは慎重になるところです。最終戦は13時にキレイなスタートで始まりました。チャンピオンを狙う#17 Astemo NSX-GTはライバル達を前にじっくりタイヤを温めながら虎視眈々と狙っているようでした。しかしいよいよ追い始めるかと思われた4周目の最終コーナーで多重クラッシュ、なんとかピットまで戻りましたがレース復帰は叶わずリタイヤとなってしましました。残念な結果でしたが最終戦にチャンピオンを争える位置まで進出できたチーム力は必ず来シーズンに繋がると思えるものでした。
19位からスタートいた#96 K-tunes RC F GT3は落ち着いたペースで順調に周回を重ねていき9位走行中にピットインし規定のフルサービスを受けますがここで僅かにタイムロス。24位でコースに復帰しますがペースが上がりません。条件は違いますが昨年の最終戦でのベストタイムを更新するところまで行きません。アクシデントの多い荒れたレースとなりましたが#96 K-tunes RC F GT3は大きなトラブルもなく無事完走、19位まで戻したところでチェッカーを受けました。今シーズンは悔しいレースもありましたが2位表彰台を獲得するなど大きな前進も見られました。来シーズンはこれを糧にさらなる飛躍が期待されます。
プリウスでの参戦は最後となる#30 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GTは慎重に走り始め、オープニングラップで一つ落としますがタイヤが温まると順調にペースアップ、14周目には14位に上がると20周目にピットイン。23位でコースに復帰しますが、ここで選択した硬めのタイヤが路面温度に合わないようでタイムが上げられません、結局最後まで状況は改善しませんでしたがドライバーの頑張りもあり16位でフィニッシュしました。来年から新型車の投入を前にチームランキング18位を確定しAシード権を獲得しました。予選でのスピードに加え決勝での強さも発揮しだしたチームの新型車両での新たなチャレンジには期待しかありません。
3位からスタートした#60 SYNTIUM LMcorsa GR Supra GT は早々に前車をパスして2位にポジションアップ。前を走るのはポールスタートの#61 SUBARU BRZ R&D SPORT、8〜11周目のセーフティーカー(SC)導入が終わると同時にペースアップ、自己ベストを更新しながらトップとの差を詰めて行きます23周目の最終コーナーでテールに張り付くとすぐにパスしトップにたつと後続とのギャップを広げていきます。28周目にピット作業を受けコースに戻ると、早めの周回にピット作業を済ませていた#52埼玉トヨペットGB GR Supra GTに続く2位にポジションダウン。しかし自己ベストを出しながら追走すると40周目には3.2秒差までギャップを縮めます。レースも残り僅かとなった51周目トップが最終コーナーでアクシデント、その脇をかわしてついにトップに返り咲くと後続を寄せ付けずにそのままフィニッシュ。第2戦に続き今季2勝目をあげました。チャンピオンこそ逃しましたがクラス唯一のシーズン2勝、ランキングも3位に入り新型車投入の新たなチャレンジの中での大活躍だったと思います。さらに熟成が進む来シーズンの活躍が楽しみです。
GT500はチャンピオンを決める為にまずは優勝するしかない♯36 au TOM'S GR Supraがトップチェッカー。さらにランキングトップだった#1 STANLEY NSX-GTが14位となったためチャンピオンシップも大逆転勝利となりました。
GT300は#60 SYNTIUM LMcorsa GR Supra GTが予選3位から逆転勝利。3位に入った#61 SUBARU BRZ R&D SPORTが悲願のスバル初チャンピオンを決めました。
第8戦応援ありがとうございました、#60 SYNTIUM LMcorsa GR Supra GTの優勝で幕を閉じましたが、それぞれのチームで喜びや反省、来シーズンへの期待が飛び交う最終戦となりました。
重ねてこの一年オベロンサポートチームへの応援ありがとうございました。コロナ禍のもと皆様の協力の中無事にシーズンをやり遂げられたこと心より御礼申し上げます。GT-Rの後継となるZ GT500が発表されるなど2022に向けSUPER GTは動き出しています、今後ともオベロンサポートチームの活躍にご注目ください!よろしくお願いいたします!
■公式リザルト
https://supergt.net/results/index/2021/Round8
#17 Astemo NSX-GT レポート
https://www.real-racing.jp/?p=11979
#96 K-tunes RC F GT3レポート
http://supergt.net/upload/GT2021_%E7%AC%AC8%E6%88%A6_%E6%B1%BA%E5%8B%9D.pdf
#60 SYNTIUM LMcorsa GR Supra GTレポート
http://supergt.net/upload/2021_SGT60_Report_Rd.8_FIJI_300km_final.pdf
#30 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GTレポート
http://supergt.net/upload/SGT%20Rd8%E5%AF%8C%E5%A3%AB30.pdf