2025 AUTOBACS SUPER GT Round7 AUTOPOLIS GT 3Hours RACE
■レース概要
開催場所:オートポリス
開催日:2025年10月18日(土)~19日(日)
■オベロン スポンサーチームの結果
・GT500
| #17 Astemo CIVIC TYPE R-GT 予選14位 決勝8位 |
・GT300
| #60 Syntium LMcorsa LC500 GT 予選9位 決勝20位 |
| #30 apr GR86 GT 予選16位 決勝22位 |
| #96 K-tunes RC F GT3 予選23位 決勝17位 |
第2戦富士以来となる今シーズン2度目の3時間レース。2度の給油を伴うピットインや3人目のドライバー登録などもあり。300kmレースよりスピードだけでなくチーム力の問われる場面も現れるレースです。中高速コーナーが連続するテクニカルサーキットで数コーナーにわたって併走することも珍しくありません。コーナーを早く回るためにもタイヤのマッチングも重要ですし、立ち上がりで前に出るためにもパワーも重要です。ただここは国内で最も標高の高い(809m)主要サーキット、その点はターボ車にちょっと有利かもしれません。またタイヤに厳しい路面とも言われタイヤマネジメントも重要だし、コースサイドにたまるタイヤカスが多く追い抜きでラインを外す際は要注意、GT500だと一周100秒前後で周回数も何もなければ100周を超える長時間レースです。
このレースはサクセスウエイトによるハンディキャップが半減されます、上位のライバルが息を吹き返し手強さがましてきますが、前回手応えを掴んだチームがどう対抗していくのでしょうか。タイヤに厳しかった新舗装のSUGOにマッチしていたタイヤがオートポリスの路面にもマッチするのでしょうか。
<10/18予選>
午前の公式練習が始まった時点では青空も見えていたのですが、スケジュールが進行するとともに雲が多くなって来ました。この日雨は想定されていましたがどのタイミングで降るのかが問題です。今シーズン2基目のエンジンを投入したホンダの#17 Astemo CIVIC TYPE R-GTは持ち込みのセットの感触が良さそうでロングランも順調にチェックは進みましたが、予選のセットをチェックする予定だったGT500の専有走行時間をまえに強い雨が降り出しドライタイヤの走行は無理、予選でぶつけ本番のような形になってしまいました。朝には31℃あった路面温度は予選が始まる頃には23℃とだいぶ温度が下がりました。雨はあがって路面は回復しウエットパッチがある程度でGT300のQ1はスタートしましたがその後半から雨がぱらつきだしました。ただ水しぶきが上がるほどではないので全車スリックでGT500のQ1(10分間)がスタート。ホンダ勢はセッション後半に雨が強まると考え早めのアタックでタイムを出しに行き#17 Astemo CIVIC TYPE R-GTも残り2分で4番手に上がりましたがそこでタイヤがピークをむかえ、最終盤にライバル達がタイムを上げQ1敗退予選は14位となりました。しかしニューエンジンはパワーも出ており決勝での盛り返しに期待です。
GT300のQ1A組はドライの予選でした、前回はタイヤへの負荷が大きかった新舗装で抜群の強さを発揮した#60 Syntium LMcorsa LC500 GTは、同様にタイヤに厳しいオートポリスでの走りに期待が持たれましたが、今回は走り出しからグリップ不足に悩まされる真逆の展開。今回は3人体制を敷き頻繁にピットに戻って調整を繰り返しますが改善は難しく午前は22番手。これでは太刀打ちできないと大きくセットを変更して臨んだA組Q1は天候を睨みながら早めのアタック、冷たい路面でタイヤを急速に温めていきます。周回毎にタイムをあげ計測3周目に3番手タイム、終盤ポジションを落としますが8位でQ1突破。Q2になると小雨が降り出しウエットタイヤで出る車もありましたが#60 Syntium LMcorsa LC500 GTはドライタイヤでアタック。雨はQ2が進むにつれ弱まりタイヤが温まり出すと急激にタイムアップ、計測3周目に全体ベストを記録し、終盤ライバルがタイムを上げましたが予選9位でフィニッシュ、午前の順位より大幅にポジションをあげました。
同じくA組の#96 K-tunes RC F GT3もダンロップのニュータイヤを投入、予選では午前のタイムを大幅更新しましたが、そこはタイムが拮抗しているSUPERGTわずか0.06秒差でQ1敗退、予選は23位となりました。走りはじめはセットアップに苦心しましたがそこはベテランが走り込むことで良い方向に仕上がってきています。特に第3セクターでのマッチングに手応えを感じている様で、決勝のロングラン次第で粘り強くはしれれば上位進出の可能性もあります。
B組となった#30 apr GR86 GTも3人体制で挑みます。今大会の前に行われたもてぎテストで今までとは少し違うセッティングを試したところ良い方向性を見つけることができ、そこで得た知見が早速オートポリスで生きました。持ち込みのセットはまだ手を入れる余地がありましたが、公式練習を通じて同じ方向でセットアップを進めることができ19番手、Q1では通過圏内でタイムを上げて行き計測3周目には7番手、この周あたりからコース後半の水量が増えたようでタイムは頭打ちになり7位でQ1突破。Q2では後半雨量が増える想定でウエットタイヤを投入。序盤まだ路面に水量が多かった時点では6番手に上がるも後半水がはけドライタイヤ勢がタイムを更新し予選は16位となりました。
<10/19 決勝>
早朝こそ霧が立ちこめましたが時間と共に解消。曇り空ですが安定した天候が続き、スタート前で気温22℃路面温度25℃。定刻通り13:15分始まったレースはオープニングで1台コースアウトがありましたが#17 Astemo CIVIC TYPE R-GTはポジションをキープ、このあとリタイアやペナルティなどもあり21周目には11番手、コースに渋滞が無い状態であればペースが良く23周目には1台を抜いて10番手、その後1回目のピットに向かう車が出始め29周目に7番手まで浮上し翌周#17 Astemo CIVIC TYPE R-GTも1回目のピットへ。ドライバー交代はせずタイヤと給油で約1分後のコース復帰は13番手。その後次々ピットに向かう車が増え37周目には6番手まで浮上、そこからはトップが視界に入る距離のトレイン状態が続きました。抜きにくいコースとラインを外すとピックアップの可能性とペースは持っていても前に出にくい状態です。残り1時間を前に5番手に浮上した60周目に2度目のピットイン。今度はドライバーも変わり14番手からスタート、全車がピットを終えた70周目に9番手、78周目に1台抜いて8番手にあがり前を追います。80周目には約4秒あった差を96周目には約1秒に、最終的には0.8秒まで詰めましたが届かず8位でフィニッシュとなりました。


#60 Syntium LMcorsa LC500 GTはウォームアップのフィーリングが良くなく23番手、決勝に不安がよぎりました。レースが始まると不安は現実の物となり苦しいレースとなりました。2周目にベストタイムをマークしますがそこから8番手との差が開きだし後方に対しての防戦が中心となってしまいました。10周目に11番手に後退すると翌周SC(セーフティーカー)が出たため後方とのギャップが無くなり再開後はグリップダウンが始まったこともあり20周目には16番手、30周目に最初のピットストップに入りドライバー交代にタイヤ交換と給油を済ませ23番手に後退、タイヤは第1スティントとは別のスペックをチョイスしましたが事態は好転せず45周目に25番手。53周目にドライバーはそのままタイヤを第1スティントのスペックに変更するとパフォーマンスもはじめまで戻しましたがライバル達には届かず21番手まで戻したところでチェッカー、上位にペナルティがありリザルトは20位となりました。


#96 K-tunes RC F GT3も期待の新スペックタイヤで走りはじめ12周目には19番手までポジションを上げていましたが、同時にドライバーから1スティントタイヤが持たなそうとのコメントが入りました。ここでチームは戦略を変更、早いタイミングで新スペックから性能は劣るが実績のある旧スペックタイヤを使うのです。車体のセッティングは新スペック用になっているため難しいドライブになると思いますが粘り強く走り入賞を目指します。早速15周目SC開けのタイミングでピットに戻りドライバーはそのままで給油と交換、14番手まで浮上した52周目にドライバー交代をして22番手でコース復帰。粘り強い走りで17番手まで戻しますが終盤ポジションを落としポイントには届かず18番手でチェッカー。上位のペナルティでリザルトは17位。今回BOPの変更でトップスピードを取り戻していましたがタイヤ本来の性能を発揮できず苦しいレースとなりました。最終戦もてぎでは事前テストが良好だったとのことで、また違ったレースを展開出来るのではないでしょうか。
土曜は流れの良かった#30 apr GR86 GTでしたが、ロングランになるとまだまとまっていないところが出てきてしまうようです。オープニングラップで団子状態を避けるためにコースアウトして20番手に後退、その後は集団の中でペース良く周回し7番手まで浮上した31周目に1回目のピットイン、59周目に2回目のピットイン、65・67周目に1台ずつ抜いて20番手上がりますがタイヤにグラデーションが発生し77周目にはポジションを落とし23番手でチェッカー、リザルトは22位となりました。今回は路面温度が合っていなかったためかタイヤのタレがいつも以上に大きく、ドライバー3人ともスティントの後半は難しいドライブとなりましたが大きなトラブルもなく無事走り切れたのは幸いでした。
GT500は 予選はQ!敗退で12番手スタートの #100 STANLEY CIVIC TYPE R-GT が燃費をマネジメントしピットストップでもタイムを稼いで今季初優勝、チャンピオン争いでも大きな1勝となりました。
GT300 は、常に上位につけていた#666 seven × seven PORSCHE GT3R が終盤 #7 CARGUY FERRARI 296 GT3 の想定外のピットインでトップに立つとそのまま逃げ切り優勝。参戦1年目でうれしい初優勝です。
第7戦も応援ありがとうございました!予選から難しいコンディションの連発でGTドライバーのすごさを見せつけられましたし、決勝ではチーム一丸となっての闘いが繰り広げられスプリントとは違った緊迫感のあるレースを観ることが出来ました。この要因の一つであるタイヤのマルチメイクが無くなることは残念ですが、常に時代に合わせて変化してきたトップカテゴリーレースに期待します。最終戦は11/1~2のもてぎ戦です、チャンピオン争いも注目ですがオベロンのサポートする各チームのチャレンジにもご注目ください。ノーウエイトのガチンコ勝負応援ヨロシクお願いいたします!
■公式リザルト
公式リザルト GT500
https://supergt.net/result?series=2025>_class=gt500&race_num=4&round=Round7
公式リザルト GT300
https://supergt.net/result?series=2025>_class=gt300&race_num=4&round=Round7
#17 Astemo CIVIC TYPE R-GT レポート
https://www.real-racing.jp/?p=14919
#96 K-tunes RC F GT3レポート
https://k-tunes.com/shingle0027/
#60 Syntium LMcorsa LC500 GTレポート
https://www.as-web.jp/supergt/1262331
#30 apr GR86 GT
https://supergt.net/wp-content/uploads/2025/10/30_rd7_AP_rep.pdf
