ENEOS スーパー耐久シリーズ2022 Powered by Hankook 第2戦
NAPAC 富士SUPER TEC 24時間レース
■レース概要
開催場所:富士スピードウェイ/開催日:2022年6月3日(金)~6月5日(日)
■オベロン スポンサーチームの結果
・ST-1
#2 シンティアム アップル KTM | 予選1位 決勝1位 |
今年で5回目を迎えた富士の24時間レースは国内で唯一の夜間走行が見られるレースです。したがって夜間ならではの装備もあって、一番排気量の小さいST-5クラスはリアに緑のランプを付け後方からもハッキリ視認できるようにし、また最速のST-XやST-Zクラスはヘッドライトを黄色とし、後ろから速い車両が来ていることを他のクラスに気がつきやすいようにしています。さらに富士だけの装備ではありませんが反射素材を使ったゼッケンや、フロントガラスには LEDをつかったポジショニングライトを装備しゼッケンとクラス順位(矢印と同時グリーン表示)を交互に点灯することで観客からもコース上の展開を見やすくしています。
また富士はストレートでのクラス間の速度差も大きくなるので、ホームストレートでは基本的に右から抜くというきまりを設けています。トラブルがつきものの24時間レースですが、それを未然に防ぐ意味もこめてメンテナンスタイムというものがあり、全チームはスタートから20時間までに10分間のピットストップが義務づけられています。ブレーキ交換など時間のかかるメンテナンスなどをレースタイムに影響しないシステムを設けることで実施しやすくしコース上の安全につなげる狙いです。またこのレースではドライバーは3時間以上の連続走行走は禁止されています。
6/3予選
3セッション行われた5月の富士公式テストで全セッショントップタイムを記録した#2シンティアム アップル KTMは万全を期すため水曜からサーキット入りしてセッティングを煮詰め、金曜のA・Bドライバーの合算タイムで争われる公式予選ではどちらもトップタイムを記録し文句なしの予選1位、総合でも7番手からスタートすることになりました。今年はジェントルマンドライバー二人、エキスパートドライバー二人、プラチナドライバー(スーパー耐久機構の定める50歳未満のプロドライバー)一人の計5人で走ります。727周して優勝、総合でも2位に食い込んだ昨年よりドライバーもチームもレベルアップすることが目標です。
6/4~5決勝
少し肌寒い曇り空の土曜の15:00、過去最多の56台が24時間先のゴールを目指してスタートしました。台数が多いため3つのグループに分かれたローリングスタートもトラブル無く穏やかな幕開けでした。好スタートを切った#2シンティアム アップル KTMはクラストップを快走、予選2位の#47 D'station Vantage GT8Rとのギャップを少しずつ広げていきます。
#2シンティアム アップル KTMは燃費が良く1スティント1時間が目安のようで35周前後でスティントを重ねていきます。さらに燃費良い走りを見せる3位を走る#38 muta Racing GR SUPRAは一周のタイムは若干負けてもピット回数を減らして速いクルマにプレッシャーをかけてくるので、目の前のバトルとは違う脅威を感じさせます。
夜の帳が下りる18:45からナイトセッションに突入、涼しくクルマに負担の少ない時間帯にさらなるハイペースを狙います。今回は大きなアクシデントもなくレースが進行していましたが、暗くなって早々の19時半に今回初のFCYからのSCが出ます。2位以下とのギャップが縮まり緊張が走りますがレース再開後もトップを守ることができました。21時半頃からの二度目のSCも無事対応し胸をなで下ろした22時過ぎ、今度は#2シンティアム アップル KTMにピットストップ60秒のペナルティが出ました、ロスタイムを含めるとほぼ1周分のマイナスとなるためピンチかと思われましたがこれも無事クリアしレースをリードしたまま深夜を迎えました。
0:00を越えると夜明けまではアクシデントの増える時間帯です。3:30頃トラブル車両の回収のためFCYからSCが導入されました、コース上のペースが遅くなるためピット作業には絶好のタイミングです。#2シンティアム アップル KTMやライバルチームはすかさずピットインすると10分のメンテナンスタイムを実施し順位に変動無くレースに復帰。この時間帯の前後に#38 muta Racing GR SUPRAはトラブルやアクシデントが重なり4位に後退、変わって3位に上がったのは#8 Studie BMW M2CSRですがトップとのギャップは19周と広がってしまいました。
日の出は4:29、前日からの曇りのまま涼しい朝を迎えました。1位の#2シンティアム アップル KTMと2位#47 D'station Vantage GT8Rとのギャップは1〜2ラップを行き来する状態。ここまでトップを争う2台は共に大きなトラブル無く1分40秒台中盤から後半のハイペースで周回して総合でも4位5位を走行中。 今回のレースはスムーズに進行しているのが特徴で大きなアクシデントや赤旗、天候の悪化もありません。しかし午前中気温も上がってくるとトラブルを発生する車両も出てきました。S耐車両はレース用に手を入れてあるとはいえ基本的には市販車ベースなのでレーシングスピードで24時間走るストレスは大きく、可能な範囲で車の負担を減らして走らせることは重要です。たとえば一呼吸いれてシフト操作する、縁石は踏まないようにする等ということは普通に行われている様です。#2シンティアム アップル KTMは終盤も危なげなく周回を重ねます。ファイナルラップにエンジンのバラツキが出はじめ一瞬ヒヤリとしましたが無事チェッカーを受け、昨年の周回数を上回る733周を記録しポールトゥウインを決めました。終始ノントラブルで総合でも4位に入る快走でした。
総合優勝はST-Xクラスの♯62 HELM MOTORSPORTS GTR GT3が180秒のペナルティを乗り越え予選2位から逆転で初総合優勝を手にしました。
長時間にわたり応援ありがとうございました。ノートラブルで24時間を走り切り昨年を越える周回数で優勝を遂げることができました。2位とは何かトラブルがあればひっくり返ってしまう差の白熱したレースでした。この結果はドライバー・チーム全員の団結と皆様の応援の賜物だと思います。今回の結果を7/9~10 SUGO戦につなげふたたび優勝を目指します、次回も応援ヨロシクお願いいたします!
公式リザルト
https://supertaikyu.com/race/files/result/2022/2022r2_fin.pdf
公式チャンネル
https://www.youtube.com/channel/UC8sfQKfk_4_JePSHSupvT4w
■ST-1決勝(Rd-2 FUji speed wey)
Pos | No | Team | Car Name | Driver | Lap | Total Time |
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1 | 2 | Ksフロンティア KTMカーズ | シンティアム アップル KTM | 井田太陽/ 加藤寛規 / 吉本大樹 / 小林崇志 /高橋一穂 | 733 | 24:01’44.853 |
2 | 47 | D'station Racing | D’station Vantage GT8R | 浜健二 / 織戸学 / 近藤翼 / 松浦孝亮 / Jake Parsons | 731 | 24:01’55.726 |
3 | 8 | ビーエムダブリュー チーム スタディ | Studie BMW M2C SR | 木下隆之 / 砂子塾長 / 大井貴之 /山田弘毅 / 東風谷高史 | 692 | 24:0144.850 |
4 | 38 | TRACY SPORTS | Muta racing GR Supra | 堤優威/中山雄一/ 松井宏太 / 久保凜太郎 | 692 | 24:02’34.231 |