2021 AUTOBACS SUPER GT Round3「FUJIMAKI GROUP SUZUKA 300km RACE」
(2021 SUPER GT第3戦 鈴鹿)

■レース概要
開催場所:鈴鹿サーキット/開催日:2021年8月21日(土)~8月22日(日)
(21日…曇/ドライ、22日…曇/ドライ)

■オベロン スポンサーチームの結果
・GT500

#17 Astemo NSX-GT予選4位/決勝3位

・GT300
#30 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT予選17位/決勝20位
#60 SYNTIUM LMcorsa GR Supra GT予選3位/決勝5位
#96 K-tunes RC F GT3予選8位/決勝8位

ROUND4が先に開催されましたが、ようやく延期されていたROUND3鈴鹿大会が行われました。テクニカルな中高速コースである鈴鹿サーキットは、前戦ほどサクセスウエイト(SW)の影響は出ないと予想されています。酷暑から一転した梅雨のような空模様が心配されました。
SUPER GTでは一人のドライバーが1レースの2/3以上の距離を走ってはいけないルールがあります。したがって1度はピットに戻ってドライバーを交代しなければなりません。燃料ももたないので同じタイミングで給油することが効率的です。なにせコースを離れて速度制限のあるピットロードを走り再びコースに戻るだけ(ドライバー交代や作業なし)でも30秒ほどロスしてしまうので、なるべく短時間で少ない回数で済ませたいのです。実際前戦のGT300優勝チームはタイムロスを嫌ってタイヤ交換せず後半グリップの少ないタイヤで上手に戦った結果の勝利なのです。
そして勝負に影響を与えることもあるピットインのタイミングですが、レースの半分の距離で行うのが燃費的にも、タイヤを変えるならタイヤ的にも理想的ですが、チームの作戦や状況によって、例えばスタート時に燃料少なめの軽い状態で前半飛ばして早めにピットに入ったり、あるいは抜きにくい車両の状態やコースの場合、行き詰まったらピットに入りクルマの前をクリーンにして流れを変え、ライバルがピットに入っている間に前に出ていることを狙うなど、ピットに入るタイミングは様々です。最近ではフルコースイエロー(FCY)やセーフティーカー(SC)でピットに入れなくなったりアドバンテージを失ったりする可能性を減らすためにも1/3を越えた早いタイミングでピットを済ませてしまうチームが多いようです。

<8/21 予選>
金曜の朝まで降り続いた雨は上がりドライで土曜は始まりました。オベロンサポートの4チームは午前の公式練習から順調で鈴鹿がホームの2チーム#96 K-tunes RC F GT3 が6番手、#30 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GTは10番手を記録。#17 Astemo NSX-GTもバランスが良いようで5番手タイム。
午前の走行に満足いかなかった#60 SYNTIUM LMcorsa GR Supra GTは予選に向けセッティングを変更しQ2進出を確実なものにしようと試みましたが思った様なクルマの状態になりません。Aグループなら突破できるタイムでしたがBグループでは0.07秒差のQ1敗退、予選19位。今季3度目のQ2進出なるかと思われていた#96 K-tunes RC F GT3はコースに出るとすぐにブレーキトラブルが発覚し予選はノータイム、決勝は最後尾29位からのスタートとなりました。
一方#30 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GTはQ1Q2ともにクリアラップでのタイムアタックとはならなかったのですが順調にタイムを伸ばし予選9位を獲得。#17 Astemo NSX-GTは意外な気もする今シーズン初のQ1突破、Q2でもすばらしいアタックで予選6位を獲得しました。降水確率は高かったのですが午後の予選も走行に影響が出るような降雨はありませんでした。

<8/22 決勝>
コースはドライとは言え雨雲レーダーでは周囲に降雨、常に雨を警戒しながらのレースになりそうです。
52周のレースはGT500のポールシッターがハイペースで逃げるところから始まりましたが5周目にコースアウト。FCYのあとSCに切り替わりました。このタイミングで17番手の#60 SYNTIUM LMcorsa GR Supra GTが給油にピットイン、1/3を越えてからのドライバー交代の際に給油を減らしピット時間を少しでも短くしたい作戦です。
スタート前のウォームアップで手応えを掴んだ#96 K-tunes RC F GT3は最後尾からグングン追い上げ16位までジャンプアップ、1/3を越えたところでピットインし27番手でコースに戻るとそこから再びチャージします。レース後半までに再び16番手までポジションを上げますが残念ながらハイペースは最後まで続かず、最終的には17位でフィニッシュとなりました。最後尾から盛り返しましたが、ライバルを引き離すだけのペース造りが後半戦のカギとなるようです。

#30 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GTはレースペースが良く、早めにピットに入るライバル達を横に見ながら順調に周回をこなしていきます、レースを折り返したあたりでトップに立つとそのまま2/3あたりまで快走、ドライバー交代後7番手でコースに復帰したあともペース良く、終盤は4番手集団でバトルを繰り広げ最後は6位フィニッシュ。2戦連続でポイントを獲得しました。後半戦はSWが重くなりますが好調の流れを生かしてさらなる活躍が期待されます。

#60 SYNTIUM LMcorsa GR Supra GT は16周目に再びピットインすると残り30周以上の長旅でじわじわポジションをもどしていきます。全車がピット作業を終えた時点で16番手までポジションを上げていましたが、すでにハイペースを維持するのは難しい状況。しかし残り10周で1台、ラストラップにさらに1台パスして14位フィニッシュとなりました。前戦よりはパフォーマンスを発揮できましたがポイントには届かない悔しいレース。後半戦に向けて戦略を練り直し、さらなるパフォーマンスアップでポイントを狙います。

#17 Astemo NSX-GTはレース序盤に3つポジションを落としましたが焦りはありませんでした。慎重にタイヤを温めSCが明けるとペースをとりもどし6番手、20周目にドライバー交代すると26周目には5番手となりますが、そこから各車入れ替わり立ち替わりのバトルがつづきました。クルマのバランスは良くスピードはありましたがSWの影響(燃料も1ランク絞られている)でパワーが足りず前車に仕掛けたりGT300を交わしていくのも簡単にはいかない状態です。終盤まで目の離せない接戦が続きましたが7位を取り戻したところでフィニッシュ、貴重なポイントをつかみ取りました。ポイントリーダーとはまだまだ手の届く差です、後半戦も粘りの走りでチャンピオンシップを争います。

結局雨は数度ぱらつく程度で警戒は空振りに終わり、GT500の勝者は♯23MOTUL AUTECH GT-Rが昨年からつづく鈴鹿3連勝、表彰台はニッサンの3チームが独占しました。
GT300は予選から好調の波にのった♯244たかのこの湯 GR Supra GTが、今季からのニューマシンであるSupraで初優勝を果たしました。

* * *

第3戦応援ありがとうございました、#17 Astemo NSX-GT、さらに#30 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GTはベストリザルトでポイントを獲得できました。今回ドライでレースができましたが天候次第で#60 SYNTIUM LMcorsa GR Supra GTや#96 K-tunes RC F GT3もまた違った展開になっていたかもしれません。次回の9/11~12SUGOから後半戦が始まります、今年も目の離せないレースが続いています、オベロンサポートの4チームのさらなる活躍にご注目ください!

※本ページのレース写真は各チームよりご提供いただいたものです。

■公式リザルト/各チームのレースレポート(随時追加)
SGT公式
https://supergt.net/
https://supergt.net/results/index/2021/Round3
#17 Astemo REAL RACING
https://www.real-racing.jp/?p=11476
#30 apr
https://supergt.net/upload/21apr_SGT3%E9%88%B4%E9%B9%BF30.pdf
#60 LMcorsa
http://supergt.net/upload/60_2021_Rd3_final.pdf
#96 K-tunes Racing
http://supergt.net/upload/96_2021_rd3race.pdf