2024 AUTOBACS SUPER GT Round7 AUTOPOLIS GT 3Hours RACE

■レース概要
開催場所:オートポリス
開催日:2024年10月19日(土)~20日(日)

■オベロン スポンサーチームの結果
・GT500

#17 Astemo CIVIC TYPE R-GT予選4位 決勝DNF位

・GT300
#96 K-tunes RC F GT3予選4位 決勝3位
#60 Syntium LMcorsa GR Supra GT予選12位 決勝10位
#30 apr GR86 GT予選21位 決勝19位

中高速の複合コーナーが多くパワーというよりは決勝に向けた車両のセッティングが重要なコース。今年のオートポリスは例年と違いサクセスウエイトが一番重い状態での争いとなりました。タイヤに厳しいと評判のコースで、さらにオートポリス初の3時間レース。一昨年までの300km(65周)から昨年の450km(97周)3時間中断が無ければ100周を超えると予想され、さらにタイヤのピックアップも多いコース。アクシデントも予想される難しいレースでまったく予断を許しません。
2回の給油を伴うピット回数が義務づけられており、距離が長いので3名のドライバー登録が可能です。

<10/20 予選>
SUPER GTは19日土曜の9:20からレースウィークの走行が始まる予定でしたが、雨と霧による視界不良で午前の練習走行はキャンセル、お昼のピットウォークのタイミングで天気は回復しますが午後の予選を前にコースは再び雨と霧に閉ざされ結局土曜の走行は全てキャンセル。お客様とのコミュニケーションをとれたのは不幸中の幸いでしたが、今大会は日曜日の朝予選・午後決勝の1DAYレースに。セットアップが重要なコースですが、チームは持ち込みのセットでぶつけ本番の30分予選に挑むことになりました。
前日のうちに雨はあがり日曜の朝方こそ霧は残りましたがスケジュールが進むにつれ天候は回復傾向に。ただ風は冷たく雲も厚いため路面が乾くのは時間がかかりそう。路面温度13℃ウエット宣言のもと8:00からGT300の30分の予選から始まりました。グループ分けはなく全27台がコースに出ます。ほとんどのチームはアタックするドライバーは1名、タイヤは2セット使えます。#30 apr GR86 GTはウエットタイヤでコースイン、持ち込みタイヤには想定ギリギリの温度ですがウォームアップに時間をかければしっかりグリップするようで開始10分の段階で10番手、残り10分に2セット目のニュータイヤを投入。チームは前戦ダンプ(ハーフウエット)路面でのクラッシュがあったことを踏まえ2セット目もウエットタイヤを選択し2度目のアタックを開始。しかしそのラップで赤旗が出てしまい中断、残念ながらタイヤのピークが終わってしまったのとドライタイヤ勢が最後タイムを伸ばしたため、自己ベストを更新するも予選は21位となりました。
開始7分でドライタイヤに交換したのは#60 Syntium LMcorsa GR Supra GT。まだライン上も乾かないタイミングなのでリスクもありますが終盤に向けじっくりウォームアップする作戦。ただまだまだ路面の水は多く、ドライタイヤに変えたアウトラップでコースアウトやスピンする車も見かけました。#60 Syntium LMcorsa GR Supra GTは焦ることなく慎重に周回し徐々にタイムを上げて行きました。残り7分ウエットタイヤで出したタイムに追いつき現在7番手、いよいよこれからというタイミングで赤旗。3分程の中断でしたがタイヤのコンディションははたして。残り5分、アタックが本格化するとウエットタイヤとドライタイヤが混在する27台、ペース違いゆえのトラフィックに悩まされる場面もありましたがラストラップでウエットタイヤ時のタイムを3秒以上短縮し予選は12位、ポイント圏に手の届く位置からのスタートです。
予選開始から5分ほどたったところで#96 K-tunes RC F GT3がウエットタイヤでコースイン。計測3周目に8番手タイムを記録し5周目にドライタイヤへ交換。残り10分をきったところでコースにもどりウォームアップを開始。コースはレコードラインだけ水がはけてきたところですがアタックに向けペースを上げていた矢先赤旗が出てしまいました。この時点で12番手、このままセッション終了も頭を過ぎりましたが残り6分で再開。アタック再開早々の残り38秒でトップタイム、ラストラップ各車続々タイムアップする中アタック2周目にさらに1秒半刻んで予選4位を獲得、ベテランの経験がマシンの実力を引きだした感があり決勝スピードにも期待がかかります。しかし問題が無いわけではなく、予選開始時にエンジンがかからなくなる電気系トラブルがでていて、この時は再起動で事なきを得ましたが一抹の不安が残りました。
まずはこの状況でとりいそぎタイムを残すためウエットタイヤでコースインした#17 Astemo CIVIC TYPE R-GTは計測2周で2番手タイムを出してドライタイヤに交換。GT300の予選後ということもあり路面状況は良くなるスピードが速く計測1周目でウエットタイヤのタイムを更新、5分程ウォームアップを続け残り9分を切ったところでアタック開始、早々に2番手タイムを記録すると翌周さらに1.5秒タイムを縮めトップタイム、ただタイミングが少し早かったようでラストラップまでにライバルが上回り予選4位2列目からのスタートとなりました。

<10/20 決勝>
予選から3時間後の11:30から今回延長された40分のウォームアップ走行。コースはドライで予選を走らなかったドライバーを中心に決勝にむけセッティングやタイヤのチェックが慌ただしく行われました。スタートが近づくと雲は切れ始めましたが日差しは弱く路面温度は21℃と低めのままです。
レースは定刻どおり1時半にスタート、オープニングラップから激しく接戦が繰り広げられました。#17 Astemo CIVIC TYPE R-GTは混戦の中ポジションをキープしながらチャンスを狙っていました。6周目に最初のトラフィック(ペースの違う車両この場合GT300)をかわすタイミングを利用しストレートエンドで3番手に。その後抜き返そうとするライバルの猛攻はトラフィックを利用して凌ぐと徐々にギャップを広げていきました。2番手とのギャップは縮まっていくのですがここでアンダーステアが顔をだしてきました。ペースが苦しくなっていた24周目FCY(フルコースイエロー)からSC(セーフティーカー)が導入されました。4周にわたってのスローペースの間にフロントの手応えが回復しSC開けにはペースを取り戻し、すぐ前を走るトップと遜色無いスピードで走れました。スタートから1時間が過ぎた頃ライバル達が次々1回目のピットイン、#17 Astemo CIVIC TYPE R-GTも36周目にドライバー交代とフルサービスを実施して9番手でコース復帰、タイヤが温まった38周目7番手集団に食らいつくと3コーナーで8番手に上がりとヘアピンで7番手に肉薄、このままもう一台パスできるかなと思ったところで前車と接触してコースアウト、そのままリタイアとなってしまいました。急遽の1DAYレースでしたがスピードもペースも手応えを感じていただけに残念な結果なりました。

昨年までオートポリスとのタイヤマッチングに苦しんでいた#60 Syntium LMcorsa GR Supra GTはロングライフを意識したタイヤでスタート。レース序盤タイヤが温まるまでに17番手まで下げてしまいますが、タイヤが出来上がってくるとペースを掴み17周目には12番手まで戻しました。11番手に浮上していた30周目に1回目のピットイン、フルサービスとドライバー交代をして16番手でコースへ戻るとそこからベストタイムを更新しながらポジションを戻していき50周目には10番手。58周目に導入された3回目のSCが64周目の開けると同時に2回目のピットイン。今回もドライバー交代とフルサービスで送り出すとライバル達も同じタイミングでピットインが重なり66周目には7番手に浮上、ただ4番手から14番手までピットタイミングが近かったためコース上でのギャップも小さく、レースの序盤同様タイヤが温まるまでに#60 Syntium LMcorsa GR Supra GTは少しずつポジションを落としてしまいました。10番手走行中の残り13分を切った所で4回目のSCがでて隊列走行のまま時間一杯まで走行しチェッカーを受けました。走りはじめは我慢が必用でしたがスティントを通して競争力を発揮、予選のダンプコンディションでのパフォーマンスも高く確かな進化が感じられるレースでした。

#30 apr GR86 GTはローリングスタートのタイミングがあわなかった前走車のあおりをうけオープニングラップで23番手まで下がってしまいましたが6周目には20番手にポジション回復、その後早めにピットを済ませる車もあり17番手まで浮上。残り2時間となった1回目のSCが開けて早々の27周目に#30 apr GR86 GTもピットイン、ドライバー交代とフルサービスを受けました。今回のドライタイヤはハードよりの物ですがライバルに対して相対的にはソフトなタイヤであるため、ことオートポリスで1スティント1時間以上は難しいようでした。24番手から20番手まで戻すもスティント後半はやはりタイヤ状況が厳しく、残り1時間となった55周目最後のピットイン、ふたたびドライバー交代とフルサービスを実施し。3スティント目を担当したのは今シーズンからの育成ドライバー小林選手、開幕からGTでのバトル経験値を積み重ね、今回は初体験のピックアップふくめタイヤコントロールの経験値を高めました。レースは25番手からじわじわ順位を上げ19位でフィニッシュ。今回の条件の中でミスもアクシデントもなく走りきれたことが一番の収穫だったようです。次回はベテラン織戸選手と小林選手のペアで、相性が良いとは言えないもてぎに挑戦です。
予選はダンプ路面でスピードを発揮した#96 K-tunes RC F GT3、ドライ路面ではどうでしょうか?ダンロップはウォームアップが良くオープニングラップで3番手、10周目には3コーナーでトップに立つとペースアップ。2番手以下より2~3秒速いタイムで周回していきました。ギャップが25秒ほどに広がった23周目FCYから1回目のSC導入となりました。FCYだけならギャップは変わらないのですがSCが入るとせっかく築いたギャップがリセットされてしまいます。SC開けもトップを維持し33周目に1回目のフルサービスとドライバー交代、この第2スティントもペースは良くは65周目までの間に12番手からトップに戻して2回目のピットストップへ。同じくドライバー交代とフルサービスでコースへ戻ると5番手、残り時間は45分を切っています。#96 K-tunes RC F GT3は自己ベストを更新しながらフルプッシュ、表彰台に手が届くでしょうか。75周目前を走るライバルが2回目のピットに入り4番手。さらにペースの上がらない1台がピットに戻り25分を切った77周目に3番手に浮上、2番手までは25秒ほど、4番手とは12秒ほどの差ですが上位のラップタイムは同等になり、このままの順位でいけるかもというのが頭をかすめたところで4回目のSCがでて実質レースが終了となり3位でチェッカーを受けました。チームとしては昨年・一昨年の低温でのデータをふまえたセットが功を奏したのではないでしょうか。新田選手と高木選手がペアで表彰台に登るのは14年ぶりとのこと、2戦連続リタイアの悪い流れを絶ったこの勢いを次戦につなげたい所です。

GT500は #39 DENSO KOBELCO SARD GR Supraがペース良く10位からポジションを挽回、波乱のレースの流れも掴み今季初優勝を決めました。
GT300は#88 VENTENY Lamborghini GT3が持ち前のスピードを生かしたピット戦略とチャンスを逃さない勝負強さで予選15位から今季2勝目を上げました。

土曜の悪天候、肌寒い日曜と厳しいコンディションを押して来場くださった皆様、スケジュールの変更があってもモニターの前から応援いただいた皆様ありがとございました。普段とは違ったフォーマットの大会でしたがそれでも普段のパフォーマンスが発揮できるのは見応えがありました。SCが4回も出た波乱の大会となりました。オベロンがサポートする全てのチームが満足行く結果ではありませんでしたがキラリと光るものを御覧いただけたのではないかと思います。残りは「もてぎ」と「鈴鹿」の2戦ですがどちらも例年とは条件の違う闘いとなります。オベロンがサポートする4チームのチャレンジにご注目ください、応援よろしくお願いいたします。

公式リザルト
https://supergt.net/results/index/2024/Round7
#17 Astemo NSX-GT レポート
https://www.real-racing.jp/?p=14175
#96 K-tunes RC F GT3レポート
https://supergt.net/upload/SGT2024_Rd7_%E6%B1%BA%E5%8B%9D%2020241020_.pdf
#60 SYNTIUM LMcorsa GR Supra GTレポート
http://supergt.net/upload/2024_sgt_lmcorsa_report_07_AP_final.pdf
#30 apr GR86 GTレポート
https://www.as-web.jp/supergt/1143013