2021 AUTOBACS SUPER GT Round5「SUGO GT 300km RACE」
(2021 SUPER GT第5戦 SUGO)
■レース概要
開催場所:スポーツランドSUGO/開催日:2021年9月11日(土)~9月12日(日)
(11日…曇/ドライ、12日…晴/ドライ)
■オベロン スポンサーチームの結果
・GT500
#17 Astemo NSX-GT | 予選4位/決勝3位 |
・GT300
#30 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT | 予選17位/決勝20位 |
#60 SYNTIUM LMcorsa GR Supra GT | 予選3位/決勝5位 |
#96 K-tunes RC F GT3 | 予選8位/決勝8位 |
シリーズ後半戦の始まりとなるスポーツランドSUGOは激しいアップダウンやせまいコース幅もあいまって比較的抜きにくいのが特徴。各チームともなるべくリスクは減らして良い位置でレースを進めたい狙いがあります。したがって予選の大切さは何時にも増して大きくなります。そもそもSUGOは魔物がいるといわれるほどアクシデントの逸話にはことかかないので油断できません。SUPER GTではノックアウト方式がとられていて、一回目の予選(Q1)上位8台が二回目(Q2)に進み1〜8位を決めます。すすめない場合はその時手で9位以降となります、GT300の場合は台数が多くQ1はAB2組にわかれるため、ギリギリ9位でQ1を突破できない場合でも予選は17位〜となってしまいます。
各予選で使えるタイヤは1セットですが、予選で使ったタイヤをつけて決勝をスタートしないといけないので、土曜が寒くても日曜が暑いと予想される場合などタイヤの選択に頭を痛めます。タイヤでいうと両クラス4メーカーが競い合っており、それぞれコースやその時の温度によって個性が出るようで、それを理解してクルマ造りにいかしていくのが各チームのノウハウです。オベロンサポートチームでは#17 Astemo NSX-GTがブリヂストン、#60 SYNTIUM LMcorsa GR Supra GTと#96 K-tunes RC F GT3がダンロップ、#30 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GTがヨコハマを使用しています。
<9/11 予選>
土曜の午前に行われる練習走行では開催サーキットを想定して施してきたセッティングを確認、調整やタイヤのチェック、予選や決勝のシミュレーションをするなど決勝に向けた多くの仕事をこなさなければなりません。この時にトラブルが起きると後々まで影響が及ぶこともあります。今回は前戦好調だった2チームにトラブルが発生、#17 Astemo NSX-GTは他車と接触し修復に少し時間をとられました。#30 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GTはさらに深刻で、走行を始めてすぐにマシントラブルでスローダウン、練習走行時間の大半をトラブルの対応に追われてしまい予選はぶつけ本番に近い形になってしまいました。
午後の予選が始まるとこの2チームは明暗がわかれます#17 Astemo NSX-GTは今季最高の予選4位を獲得しますが、#30 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GTは0.1秒差でQ1敗退、決勝は17番グリッドからスタート。
残りの2チームは順調に準備を進められたようで、練習走行6位タイムの#96 K-tunes RC F GT3は好調でQ1をグループ1位で突破、Q2では予選8位を獲得し開幕以来のポイント獲得が期待されます。さらに#60 SYNTIUM LMcorsa GR Supra GTは重いサクセスウエイト(SW)に苦しみながらも予選3位を獲得、ノーポイントが続いた悪い流れを変えポイントランキングを巻き返したいところです。
日曜の決勝は予選よりぐっと温度が上がり、かなり予選とは違うコンディションになりそうでさらに白熱したレースが期待されます。
<9/12 決勝>
日差しがもどったSUGOは前日から路面温度は20度近く上昇、この変化には各チームとも頭を悩ませているはずだ。13時半スタートした83周のレースは大きな順位の変動無く進んでいきました。低温だった予選のときのタイヤを履いているレースの前半はタイヤを温存しながら進行しています。
早めにタイヤを交換する予定だった#96 K-tunes RC F GT3はレースの1/3をすぎると早々にピットイン、ハードタイヤに換えて24位でコースに復帰すると着実にポジションアップ、40周目には16位まで戻します。
同様のタイミングでピットに入った#60 SYNTIUM LMcorsa GR Supra GTはストップアンドゴーの少ないSUGOゆえかSWの影響に耐えてペースが非常に良く40周目には11位までポジションを戻していきます。
同じくコーナリングマシンの呼び声の高いNSXの#17 Astemo NSX-GTもSWの影響でパッシングは気を遣うもののそれを感じさせない良いペースで周回、30周目前でピットに入りその後もペースを維持40周前には3位までポジションアップ。
各チームが次々ピットに向かう中、#30 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GTはコースに残り41周目には2位までポジションを上げながらピットタイミングを見極めていました。そこに44周目セーフティーカー(SC)が入りチャンスか!と思われましたが運悪くピットクローズに間に合わず、さらに後半戦コースに復帰後も他車に接触されポジションダウン、最終的には20位でレースを終えました。レーシングアクシデントとは言え好調なチームとしては水を差された感じですが、次戦はプライベートテストも行っているオートポリス、また違ったレースが期待できそうです。
このアクシデントは3位までポジションアップしていた#60 SYNTIUM LMcorsa GR Supra GTの目の前で起きてしまいました、トラブルをさけコース外に逃れましたがその隙に6位にポジションダウン、タイヤの性能が低下する中あきらめず前車を追うとフィニッシュ目前の周にライバルがペースダウン、5位を取り戻してチェッカーをうけました。表彰台を掴みかけていただけに残念でしたがSWを克服しての上位フィニッシュの価値は大きく、次戦のSWはさらに重くなりますが終盤にむけて弾みのつく一戦となりました
さてそのSCですが#96 K-tunes RC F GT3には好運の女神、ジワジワ詰めていた上位との差が一気につまり55周目に11位、さらに7位争い集団に食いつくと70周目にポイント圏の10位、最後の2周に1台づつオーバーテイクして8位でフィニッシュ。コーナリングマシンの特徴を発揮でき後半戦につながる走りで開幕以来のポイントをゲットしました。
SCが入った時には#17 Astemo NSX-GTは2位を走行中、後続との差が詰まるとその10周後にはフルコースイエロー(FCY)も発生、やはりSUGOは一筋縄ではいかない。FCYがあけレーシングスピードに戻る刹那をつかれて3位にポジションダウン。その後はポジションを取り返すべくアタックをつづけるも届かず、しかし3位のポジションは守り切り表彰台をゲット。重いSWを背負いながらのこの結果はチャンピオンシップにとって非常に明るい材料となりました。
GT500は#17 Astemo NSX-GTと激しい2位争いを続けていた#12カルソニック IMPUL GT-Rが抜けだし、トップ車両の脱落後そのまま逃げ切り5年ぶりとなる優勝をつかみ取りました。
GT300は開幕から予選のスピードを中々決勝に結びつけられなかった♯61 SUBARU BRZ R&D SPORTが、ついに優勝を果たしました。
■公式リザルト
https://supergt.net/results/index/2021/Round5
#17 Astemo NSX-GT レポート
https://www.real-racing.jp/?p=11693
#60 SYNTIUM LMcorsa GR Supra GTレポート
http://supergt.net/upload/2021_SGT60_Report_Rd.5_SUGO_300km_final.pdf
#96 K-tunes RC F GT3レポー
http://supergt.net/upload/GT2021_%E7%AC%AC5%E6%88%A6_%E6%B1%BA%E5%8B%9D.pdf
#30 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GTレポート
http://supergt.net/upload/21apr_SGT5%E8%8F%85%E7%94%9F30.pdf