2021 AUTOBACS SUPER GT Round6 「AUTOPOLIS GT 300km RACE」
(2021 SUPER GT第6戦 AUTOPOLIS)
■レース概要
開催場所:オートポリス/開催日:2021年10月23日(土)~10月24日(日)
(23日…晴/ドライ、24日…晴/ドライ)
■オベロン スポンサーチームの結果
・GT500
#17 Astemo NSX-GT | 予選7位 決勝8位 |
・GT300
#30 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GT | 予選14位 決勝23位 |
#60 SYNTIUM LMcorsa GR Supra GT | 予選6位 決勝19位 |
#96 K-tunes RC F GT3 | 予選5位 決勝2位 |
感染症拡大の影響で2年ぶりの開催となるオートポリスは、テクニカルなサーキットで山間に位置するだけあって高低差も大きいダイナミックなコース。路面が富士や鈴鹿などと違いヨーロッパ的というかスリッピーなグループと言われています。ちなみにサーキットの路面は基本的に一般道と構造も工法も違いはありません。勿論一般道よりはるかに要求される機能は高くなるので、材料の選択や注意深い施工がおこなわれ、高いGに耐えグリップ力や平坦性の高いコースが出来上がります。もしかするとアスファルトに混ぜる骨材(粉砕石など)の違いでグリップに個性が出るのかも知れません。
オートポリスはタイヤにも厳しく合わない場合は消耗が激しいともうかがいます。タイヤメーカーは毎戦コースや予測した当日のコンディションにあわせたタイヤを供給しています。中でも路面温度は重要なファクターの一つですが性能をつきつめたSUPER GTのタイヤにとって5℃の路面温度の違いはとても大きいものなのです。性能が大きく落ちることはありませんが、バランスの崩れたタイヤは予想以上の消耗やオーバーヒートを起こすこともあります。べったりくっつくようなグリップを発揮している時の方が消耗も少ないものなのです。もちろん奥まで曲がり込んでいったり、上りながら切り返したりするコースレイアウトも消耗には重要な要素ですが、タイヤに厳しいコースと呼ばれる所以は色んな要素が複雑に絡み合った結果なのでしょう。
コンマ数ミリ単位で車高を調整するような精密なSUPER GT車両にとって2年ぶり、初めての車両、事前テストなしの難しい条件の中ピタリとコースに合わせてくるのはどのチームでしょう?
<10/23 予選>
すっかり秋の肌寒さを漂わせながらも路面温度は予選開始時に24℃まで上がりました。午前の連取走行からオベロンサポートの4チームは好調で上位10台に入るタイムを刻み、赤旗をはさみながらも順調にセットアップを進められた模様。予選が始まるとサクセスウエイト(SW)の重い#17 Astemo NSX-GTと#60 SYNTIUM LMcorsa GR Supra GTは苦戦が予想されましたがどちらも難なくQ1を突破、#17 Astemo NSX-GTは予選7位、#60 SYNTIUM LMcorsa GR Supra GTは予選6位を獲得。チャンピオンシップのため10位以内に入り1ポイントでも多く手にしたい両チームにとっては満足いくポジションではないでしょうか。事前にオートポリスでテストができた#30 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GTも順調でグループ3位でQ1を突破しQ2ではやや伸び悩むも14位、レギュラードライバーの坂口選手がようやく戻ってきてチームのムードも高まる#96 K-tunes RC F GT3は、あっさりQ1を突破するとチーム今季最上位の5位で予選を終えました。オベロンサポート4チームとも車両の状態が良いようで、コースとのマッチングもこのまま続けば、より見応えのある一戦となるはずです。
<10/24 決勝>
穏やかな天候はかわりませんが日差しが弱く路面温度は20℃前後までしか上がりません。スタート直後からGT500はペナルティ(3基目のエンジン交換)を消化する予定の車両や、SWが軽めの車両が活発にレースを引っ張りましたが、硬めのタイヤを選択している#17 Astemo NSX-GTは慎重に温めながらの走行のためポジションを2つ落としますが5周目から徐々にポジションを挽回、途中フルコースイエロー(FCY)やセーフティカー(SC)をはさみレース距離の1/3を過ぎた25周目にドライバーチェンジし、13位でコース復帰します。
GT300の上位は大きな順位変動なくしずかな始まりでしたが、前述したとおりレースの前半はFCYにSCまで導入されるなど荒れ模様の様相でした(反して中盤以降は中断もリタイヤもありませんでした)GT300もSCがあけると多くの車両がルーティンのピットイン。#96 K-tunes RC F GT3はポジションをキープしながらも上位のピットインやリタイヤもあり3位まで進出、周囲のライバルより一呼吸遅いタイミングでピットイン。ドライバーチェンジし給油・4輪タイヤ交換のフルサービスを受け10位でコース復帰。翌周8位に上がるとトップを走る車両がすぐ目の前の7位でコース復帰。1~6位はまだピット作業をしていないので実質2位に浮上。
すぐ後ろの4位を走行していた#60 SYNTIUM LMcorsa GR Supra GTも同時期にピット作業をおこないましたがここで命運が分かれました。チーム戦略で前半とは違うスペックのタイヤ選択し15位でコースにもどりました。5周後には10位までポジションをもどし、このままオベロンサポート同士の表彰台争いに発展するかと思ったところ徐々にラップタイムが落ち始めました。どうやら後半のタイヤがコースの状態にマッチせずグリップしていない模様です。しばらく走行を続けましたが改善の様子無く残念ながら2度目のピット作業でタイヤ交換し23位までポジションダウン。その後はトップグループと遜色無いタイムをとりもどし、順位を上げていきますが19位まで戻したところでチェッカーとなりました。結果としてはノーポイントとなってしまいましたが、車の状態は良くドライバーからの感触も良好なので残り2戦でのトップ争いに期待がかかります。
#30 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GTも苦しい闘いを繰り広げていました。オープニングラップで2つポジションを上げると10位手争いに加わりますが、しばらくして発動したFCY・SCの間にタイヤが冷えてペースダウン、17位まで後退しますが落ち着いた走りと上位のピットインで徐々にポジションを上げていき、レースも折り返しを迎えるあたりでピットイン、直前の順位は3位でしたがあまりマージンがかせげずコースに戻った時点では22位。後半もフルの戦闘力を発揮できず苦しい闘いが続き、なんとかポジションをキープするも最終的には23位でチェッカーを受けました。決勝ではマッチングを外しましたが今回のレースのトップは同じチームの僚機、テストを通じてマッシュアップできたことがトップをとれた一因であり#30 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GTの戦闘力も向上しておりシーズン終盤も一暴れできるのではないでしょうか。
早めにピット作業を終えた#17 Astemo NSX-GTは長い後半戦も重いSWを感じさせない走りを見せます。で前走車をパスしながら36周目には9位、そこから抜きつ抜かれつバトルが続きます。こうなるとSWが響き決め手なく中々抜け出せませんが、粘り強く攻めた結果8位までもどしてチェッカー、貴重なポイントをゲットしシーズン終盤に繋がる一戦となりました。
中盤で2位につけた#96 K-tunes RC F GT3はトップを走るクルマの背後につけますがじわじわと引き離されていき、逆に3位の車が追いついてきました。背後からプレッシャーを受ける場面もありましたが結局前に出られることもなく振り切って2位のチェッカーを受けました。2018年に優勝もしている験の良いオートポリスで今季初表彰台となりました。ドライバーもそろい次戦に向けてチームのムードも上昇しています。
GT500はNSX同士の競り合いを制し最後は独走で#8 ARTA NSX-GTが今季初優勝。 GT300は常にレースをリードした♯31 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GTが予選の速さを鈍らせることなく、ポールトゥウインを決めました。
第6戦応援ありがとうございました、#96 K-tunes RC F が嬉しい今季初表彰台、#17 Astemo NSX-GTは貴重なポイントをとりランキング2位。#30 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GTと#60 SYNTIUM LMcorsa GR Supra GTはアンラッキーでしたが4台とも車の状態は上向きで、SWが半減する次戦もてぎ11/6~7での活躍に期待が高まります。オベロンサポートの4チームのさらなる活躍にご注目ください!
■公式リザルト
https://supergt.net/results/index/2021/Round6
#17 Astemo NSX-GT レポート
https://www.real-racing.jp/?p=11786
#96 K-tunes RC F GT3レポート
http://supergt.net/upload/GT2021_%E7%AC%AC6%E6%88%A6_%E6%B1%BA%E5%8B%9D.pdf
60 SYNTIUM LMcorsa GR Supra GTレポート
http://supergt.net/upload/2021_SGT60_Report_Rd.6_AP_300km_final.pdf
30 TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV apr GTレポート
http://supergt.net/upload/21apr_Rd6SGT30.pdf