023 AUTOBACS SUPER GT Round1 OKAYAMA GT 300km RACE
((2023 SUPER GT第1戦 OKAYAMA)
■レース概要
開催場所:岡山国際サーキット
開催日:2023年4月15日(土)~4月16日(日)
(15日…雨のち曇り/ウェット、16日…曇り一時雨/ドライ~ウェット)
■オベロン スポンサーチームの結果
・GT500
#17 Astemo NSX-GT | 予選13位 決勝7位 |
・GT300
#60 Syntium LMcorsa GR Supra GT | 予選19位 決勝8位 |
#30 apr GR86 GT | 予選23位 決勝13位 |
#96 K-tunes RC F GT3 | 予選14位 決勝14位 |
SUPER GT 2023シーズンが開幕しました。今シーズンも全8戦を国内6箇所のサーキットで争います。
オベロンはGT500の#17 Astemo NSX-GT、GT300では#30 apr GR86 GT、#60 Syntium LMcorsa GR Supra GT、#96 K-tunes RC F GT3の3チームを引き続きサポートしていきます。今シーズンの4チームの体制はともに前年を踏襲しており、より理解を深めチーム全体のレベルアップを目指しています。
今年SUPER GTで大きく変わったのは3点、環境に配慮してタイヤの使用可能本数が削減(ドライ・ウエットともに1セット減)されたこと、またカーボンニュートラルフューエル(CNF)が採用されたこと(GT300は第3戦よりを予定)、そして450kmレースが全5戦にふえたこと。
タイヤ減はコスト、環境負荷の軽減に寄与。また長距離レースが増えたこともあり、より緻密な戦略が生きてくるようにもなります。CNFはバイオマス由来非化石燃料を採用し、2030年にシリーズ全体のCO2排出量50パーセント削減を目指す環境対応ロードマップの一環です。
ウエットタイヤについて触れておくと、溝パターンはタイヤメーカー各社ワンサイズに付き1パターンの登録制。GT500で1パターン、サイズの違うGT300で1パターンをシーズン通して使います。コンパウンドについてはドライタイヤ同様複数の種類があります。ちなみに決勝以外はウエット宣言がでないとウエットタイヤは使えません。
<4/15 予選>
金曜の搬入日は穏やかな天候でしたが、走りはじめとなる土曜は朝から肌寒い雨模様。午前の公式練習では雨量が多く、大きなアクシデントの発生や赤旗中断もありました。午後の予選前には小雨となりましたが路面温度は低くタイヤのウォームアップに時間がかかるため各セッションは5分ずつ長くなることがアナウンスされました。
Q1のGT300Aグループが走り出すと雨量がどんどん増えていき残り5分の段階で赤旗が出てそのまま終了してしまいます。このグループではハードウエットに強いダンロップを履く#96 K-tunes RC F GT3が早めのアタックで2番手タイムを出しQ1通過しました。
コンディション回復を待ち10分遅れで始まったBグループでは雨が上がり、時間が進むにつれライン上のコンディションは良くなっていきます。予選開始から周回毎にタイムを上げて行く#60 Syntium LMcorsa GR Supra GTですがライバルたちより上がり幅が少なく0.13秒足りずQ1敗退、明日は19番手からスタートとなりました。#30 apr GR86 GTもタイムをだしつつラストラップに向けて間合いを計っていましたが、想定以上に路面が良くタイヤの内圧のコントロールにタイミングが合わずラストアタックを逃してしまいこちらもQ1敗退、23番手から上位を狙います。#96 K-tunes RC F GT3のQ2は路面の水がどんどん少なくなっていく状況ではタイヤの性能をフルに発揮できず14位で決勝に臨むことになりました。
GT500の#17 Astemo NSX-GT のQ1 の時には周回毎にライン上の水がはけていく状況でタイヤもヒートアップ、途中でタイヤを交換しましたがウォームアップしきれず13番手にとどまりました。
<4/16 決勝>
昨日とはうって変わり朝から晴天の日曜、レースウィーク初のドライセッションとなり路面温度も前日よりグッと上がり、ウォームアップでは#17 Astemo NSX-GTは5番手タイムを記録、#30 apr GR86 GTが3番手、#96 K-tunes RC F GT3は6番手と車のコンディションはポジティブですが、天気予報はレース中の降雨の可能性が高いことをアナウンスしています。レースは通常どおり28周から54周まで(GT500)に1回のドライバー交代を義務づけています。
スタートが近づくにつれ雲行きが怪しくなる中13:35にレースが始まりました。オープニングラップでは#17 Astemo NSX-GTが2台抜き11位/GT500、#96 K-tunes RC F GT3は4台抜いて10位/GT300にジャンプアップ、#60 Syntium LMcorsa GR Supra GTは20位/GT300、#30 apr GR86 GTは22位/GT300で序盤を走ります。
GT500がGT300に追いつきだした7周あたりから雨が目立ちはじめ15周目に一気に雨脚が強くなるとウエットタイヤに交換する車両が出始め #17 Astemo NSX-GT、#96 K-tunes RC F GT3、#60 Syntium LMcorsa GR Supra GT、#30 apr GR86 GTは時を同じくしてピットイン。しかしこのタイミングでコースアウト車両の回収が発生しFCY(フルコースイエロー)からSC(セーフティーカー)となりました。
このSCランの間に雨がさらに激しくなりドライタイヤで走っていた車両は一気にピットに戻ってこざるをえません。その結果、すでにウエットタイヤを履いている#17 Astemo NSX-GTは5位/GT500、#96 K-tunes RC F GT3が6位/GT300、#60 Syntium LMcorsa GR Supra GTは7位/GT300、#30 apr GR86 GTは9位/GT300に進出。ところがその後SCが続く中日差しがもどりだし、22周目にSCが解除となった頃には路面はヘビーウエットですが雨も小降りで路面のコンディションは周回毎に良くなっていきます。
#30 apr GR86 GTは難しい路面状況の中ポジションをキープしながら上位をうかがっていますが、今回この乾いていく方向の路面状態にマッチできていない#17 Astemo NSX-GTと#96 K-tunes RC F GT3、#60 Syntium LMcorsa GR Supra GTは徐々に順位を下げていきます。こうなると路面をいち早く見極めドライタイヤでタイムアップを狙いたいところです。
先に動いたのは#96 K-tunes RC F GT3でした、若干早めのタイミングでしたが攻めの姿勢で31周目にドライバー交代と同時にドライタイヤに交換24番手まで下がりますが徐々に順位を戻して44周目には17位/GT300まで進出します。次に動いたのは#60 Syntium LMcorsa GR Supra GT、33周目にドライバーとタイヤを変更し20位/GT300でコースに復帰、タイヤが温まってくると良いペースで周回を重ね42周目には12位/GT300までポジションを上げていきます。巧妙な走りで9位までポジションを上げていた#30 apr GR86 GTは38周目にピットインしドライバーとタイヤを変更して13位/GT300でコースに復帰、すでにタイヤの温まっているライバルたちの猛攻を受け16位/GT300までダウンしますがここで踏みとどまってからは徐々にポジションを回復していきます。#17 Astemo NSX-GTはラインが乾きだした41周目にピットイン、ドライバーとタイヤを変更14位/GT500のままコースにもどると45周目には11位/GT500に進出。
各チームこれから終盤にむけてペースアップといった48周目に車両回収のため本日2度目のFCYが発生します。さらにその間に再び雨がちらつき始めてしまいました。50周目にFCYは解除になりますがすぐにコース上でアクシデントが発生し2度目のSC導入となり、雨の降り続く中ゆっくりと周回を重ねていると今度は近隣に落雷が確認され赤旗レース中断となりました。
再びウエット路面となった20分後に赤旗解除、SC先導でレース再開しますがほとんどの車がドライタイヤを履いているため一斉にピットイン、この際トラブルのでた車もありました。60周目にSC解除の予定でしたがここで再びトラブルが発しSC延長から2度目の赤旗。20分後にSC先導で再開するも時間切れ、最終的には落雷もあり赤旗でレース終了となりました。
#17 Astemo NSX-GTは一回目の赤旗が出た時点で9位、SC中のタイヤ交換ラッシュの際に上位のトラブルがあり最終的には8位でフィニッシュ、その後上位のペナルティで7位となりました。今回はレインコンディションのペースをつかみきれませんでしたが、その中でポイントできた事は今後につながるレースになったのではないでしょうか。
#60 Syntium LMcorsa GR Supra GTも一回目の赤旗の時点で9位、その後SC中に上位の離脱があり8位でフィニッシュ、昨年の第5戦以来のポイント獲得となりました。最適なタイミングのチーム戦略がとれたこととチーム・ドライバーが一丸となって実力を発揮できたことがこの難しいレースでの好成績につながりました。
#30 apr GR86 GTは最終的には13位フィニッシュとポイントには届きませんでしたが、ドライでの走りに出ているようにポテンシャルは上がってきています。あと一つ歯車がかみ合えば大きく前進できるのではないでしょうか。
ホームコースだった#96 K-tunes RC F GT3は14位でフィニッシュ。ドライの事前テストではスピードを発揮していただけに残念な結果でしたが、ミスもなく状況に対してチャレンジすることはしての結果なので次回の富士に向けて切り替えて進めるのではないでしょうか。
GT500は#23 MOTUL AUTECH Zが予選から力を発揮し難しいコンディションの中ポールトゥウイン。 GT300は#18 UPGARAGE NSX GT3がベストなタイミングでのタイヤ交換からペースをつくりチャンスを見逃さずに優勝を勝ち取りました。
2023シリーズ開幕戦の応援ありがとうございました。荒れた展開となりましたがオベロンがサポートする#17 Astemo NSX-GT、#30 apr GR86 GT、#60 Syntium LMcorsa GR Supra GT、#96 K-tunes RC F GT3の4チームは完走しポイントできたチームもできなかったチームも無事にシーズンをスタートできました。これから残り7線の中でどのようなドラマが展開されるのかご注目ください。次回は5/3~4ゴールデンウィークに行われる第2戦富士。今年も長い450kmレースとなりますがオベロンサポートチームへの応援よろしくお願いいたします!
■公式リザルト
https://supergt.net/results/index/2023/Round1
#17 Astemo NSX-GT レポート
https://www.real-racing.jp/?p=13021
#96 K-tunes RC F GT3レポート
https://supergt.net/upload/6850_GT2023_Round.1_%E6%B1%BA%E5%8B%9D.pdf
#60 SYNTIUM LMcorsa GR Supra GTレポート
http://supergt.net/upload/3769_2023_SGT60_LMcorsa_Report_rd.01_okayama_final.pdf
#30 apr GR86 GTレポート
https://www.as-web.jp/supergt/932482