2024 AUTOBACS SUPER GT Round4 FUJI GT 350km RACE

■レース概要
開催場所:富士スピードウェイ
開催日:8月3日(土)~4日(日)

■オベロン スポンサーチームの結果
・GT500

#17 Astemo CIVIC TYPE R-GT予選5位 決勝8位

・GT300
#60 Syntium LMcorsa GR Supra GT予選16位 決勝14位
#30 apr GR86 GT予選23位 決勝18位
#96 K-tunes RC F GT3予選22位 決勝DNF

第4戦は350kmレース、ドライバー交代を含むピット作業が1回は必用ですがそのタイミングを含めたチーム戦略が通常の300kmレースとは変わってきます。26周から51周までの間がピットタイミングとなりますがあまり早く入ると残りの距離が長いので最後まで燃料を持たせられるのか?また350kmはGT300だとタイヤ無交換の可能性があります、タイヤ交換作業の10数秒、さらにアウトラップのタイヤが温まるまでのペース分を短縮できますが、真夏開催ゆえの温度が問題です。国内主要サーキットの中で2番目に標高が高い(581m、高尾山頂に程近い)富士スピードウェイですが今回気温は30℃を越え路面温度に至っては50℃を優にこえるハードなコンディション。この中で予選Q1から1セットで走るタイヤの負担を考えると、無交換のマージン分で逃げ切れるかまったくわかりません。
また今回からGT300のSW(サクセスウエイト)の最大が、2024年は80kgでしたが50kgに変更されました。これは今年からスピード抑制のためGT300は全車追加重量が設定されたのでSWを加えた合計重量が昨年までに実績のある合計重量を超過しないことを優先したためとのことです。

<8/3予選>
SWを38kg積む#17 Astemo CIVIC TYPE R-GTは、持ち込みのセットが好感触で順調にレースに向けたセットアップを進められ、午前中は4番手タイムで締めました。コンディションは予選に向けてハードになる一方で開始前には気温33℃、路面温度は54℃まで上昇。Q1は残り時間6分を切った時点で最後にコースイン、ミス無くアタックをまとめトップと約0.3秒差の6番手、Q2では残り5分30秒でコースインしパーフェクトなアタックを披露し合算タイムで予選5位を獲得。午前中の感触から考えると順位にやや物足りなさを感じているようですが決勝は充分期待できるスタート位置です。また昨年までのNSXでは相対的にトップスピードが控えめでしたが、前回の富士から引き続きCIVIC TYPE R-GTはトップスピードが伸びており#17 Astemo CIVIC TYPE R-GTもQ2での最高速は4番手(288km)につけています。もちろんスピードはその時の条件に大きく左右されるので直接の比較にはなりませんが決勝に向け明るい材料であることに違いはありません。
GT300は予選方法に変更がありました。直前のサポートレースでコース上にオイルが出たことを受け、A組B組間のコンディションに大きな違いが出ることが想定されたため、昨年までと同じQ1はQ2でのAB分けのタイム、Q2のタイムで順位を決める段取りとなりました。タイヤはQ1Q2決勝1スティント目を通して1セットに変わりはありません。
前戦で今季初ポイントを獲得した#60 Syntium LMcorsa GR Supra GTは今回から新しい方向性のセットアップにチャレンジ。走りはじめこそ戸惑いはありましたが短い時間の中で調整を重ね方向を見つけると午前いっぱいを使って煮詰め良い部分に落ち着きました。これを受けて予選Q1ではアタックラップの1周目で午前のタイムを更新すると2周目はその時点のB組ベスト、3周目も気持ちの良い走りで締めその結果は予想を超えた5番手、Q2では同じセットのままでしたがコースコンディションの変化かタイムが伸びず予選は16位となりました。ダンロップの今回のモデルが決勝で強さを発揮してくれそうな感触がありロングランのペースに期待がかかります。
この2ヶ月の間色々なテストを実施しデータを積み上げてきた#96 K-tunes RC F GT3。第2戦の富士ではタイヤトラブルに泣いたこともあり、より苛酷なコンディションとなる今回は耐久性を重視したタイヤをチョイスしました。午前の公式練習は20番手タイム、さらに暑くなっていく午後の予選ではタイムアップするだろうと感じていましたが思ったほどタイムが伸びません。Q1Q2ともにミス無くしっかり攻めた走りが出来てもタイムが付いてきません。予選は22位、問題はタイヤのマッチングなのか、あるいはストレートの伸びもちょっと足りないようなので車側なのか、スタート前までに結論づけレースに挑みたいところです。
#30 apr GR86 GTは後半戦にむけ空力をアップデート、今シーズンから小径化したフロントタイヤのグリップ向上を狙ってフロントのダウンフォースを上げる方向の空力パッケージを投入しました。タイヤや前後のバランス、持ち込みのセットとのバランスは良好で進化の感じられるアップデートの模様です。走りはじめから感触良く、セットアップも順調に進みました。タイヤはピークグリップよりコンスタントにタイムを出し続けられるハード系のものを選んだため予選での瞬発力は発揮できず23位となりましたが、決勝では良いペースのまま走りきれるのではないかとの手応えを感じました。

<8/4 決勝>
前日は天候のくずれる予報もありましたが、まったくの杞憂に終わりスタート前に気温35℃の立派な猛暑日、路面温度は56℃を記録しています。夏休み中のKIDS達も見守る中定刻どおりレースがスタート。オープニングラップで#17 Astemo CIVIC TYPE R-GTが2つポジションをおとしてしまいました。実は当日のウォームアップ中にドライバーから昨日のグリップが感じられないとの指摘があり、データにあたりながらセットアップの変更で対応しましたが、あまり改善がみられず先行を許してしまったようです。ポジションをキープしつつ周回を重ねますが想定したペースに上げられない状況を変えるため、予定よりも早い30周目にピットイン。フルサービスにドライバー交代を実施しのこり47周を走り切る作戦に切り替えました。14番手でコースに復帰、全チームがピットを終えた時点では6番手に浮上。ただタイヤがフレッシュな時には良いペースが出ますがピークを越えると厳しくなり、後半は前を追いかけることが出来ず厳しい展開。さらに最終ラップには予定より早めのピットインのためかガス欠症状がでたため、最小ロスタイムの燃費走行でフィニッシュラインまでクルマを運ぶのが精一杯、最終的には8位でチェッカーを受けることになりました。追い上げを期待できる一戦だったため悔しい結果ですが、決勝日のフィーリングの変化をしっかり検証し次戦鈴鹿への糧としたいところです。

16番手スタートの#60 Syntium LMcorsa GR Supra GTは1周目に前を走るライバル達のアクシデントを避け13番手にポジションアップ。レース開始からペース良く5周目には自己ベストを更新、12番手に追いつくと15周目に始まったテールトゥノーズのバトルは17周目に#60 Syntium LMcorsa GR Supra GTが前に出ることで決着。11番手とはテールの見える範囲のギャップでGT500をやり過ごしながらポジションアップのチャンスを狙います。周回も1/3を過ぎた時点で出たFCYをキッカケにピットインする車両がつづき10番手まで浮上した30周目に#60 Syntium LMcorsa GR Supra GTもピットイン。フルサービスを実施し17番手でコース復帰、前半のスティントは想定以上のペースでポジションを争えましたが、後半に選んだ違うスペックのタイヤは走りはじめからグリップ感が薄くペースアップが難しい様子。全車ピットを終えた時点で16番手、その後コース上での順位の変動はありませんでしたが上位のトラブルなどで14位まで浮上したところでチェッカーを受けました。今回セットアップとタイヤの両方とも新しい取り組みだったので全て噛み合ったレースではありませんでしたが、ロングランでも最後までフィーリングが落ちないタイヤなど次につながる収穫のあった一戦となりました。

#30 apr GR86 GTはオープニングラップで一つポジションをおとして戻ってきますが、翌周には4台、3周目と5周目にも1台ずつパスして18番手にポジションアップ。このあとグループでのポジション争いやGT500をやり過ごすタイミングで抜かれてしまい21番手となりますが、22周目、24周目に1台ずつパスして19番手、その後ピットインする車両が続き4番手まで浮上した41周目に#30 apr GR86 GTもピットイン。フルサービスでコースに戻ると19番手。今シーズンからの小径フロントタイヤの特徴の一つは温まりが速い事、アウトラップから良いペースで後続を振り切り単独走行。18番手とのギャップは大きかったので追いつくまでは行きませんでしたが終盤までペース良く、上位のトラブルで最後1つポジションを上げ18位でチェッカーをうけました。入賞は逃しましたがポジションを争えるタイヤパフォーマンスや空力パッケージ等状態はポジティブ、ホームコースである鈴鹿に期待が高まる一戦でした。

オープニングラップで1つ順位を上げた#96 K-tunes RC F GT3は、翌周さらに3つ上げて18番手、3周目にもう1台抜いて17位、予選を走ったタイヤでこのハードコンディションを予選タイムにせまるペースで周回、10周目には自己ベストを更新して前とのギャップを縮めていきました。その差約1秒となった15周目後方からのプレッシャーが強くなってきました、ペースが厳しくなってきた模様で17周目20周目22周目と立て続けに順位を落とし21番手に。ここでさらにマシンに異常が発生し24周目に緊急ピットイン。冷却系のトラブルで、原因は前走車が跳ね上げたホイールのバランスウエイトがラジエータを直撃するというめずらしいアクシデント。修復を試みますが最終的にはリタイアとなってしましました。残念な結果ですが後半に向けポテンシャルの片鱗は見せられたのではないでしょうか。


GT500は#8 ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #8がポールスタートから実質一度もトップを譲ることなく優勝、デビュー4戦目のCIVIC TYPE R-GTがついに優勝を手にしました。
GT300もポールシッターの#65 LEON PYRAMID AMGがスピードだけでなくFCYのタイミングを見極めたピット作業などの臨機応変差を見せ2位以下を大きく引き離し今季初優勝となりました。

暑い中最後まで応援いただきありがとうございました。夏休み中のレースと言うこともあり沢山来場いただいたお子様達にも良い思い出となったのではないでしょうか?この中から未来のヒーロー・ヒロインが誕生するかも知れません!クルマやレーサー、メカニックをカッコイイな、と感じてもらえたかな?オベロンはクルマのファンを大切にしていきたいと考えます。
次回は8/31~9/1の鈴鹿で行われる350kmレース、今回掴んだ手応えが実を結ぶように引き続きオベロンがサポートする4チームへの応援よろしくお願いいたします!

公式リザルト
https://supergt.net/results/index/2024/Round4
#17 Astemo NSX-GT レポート
https://www.real-racing.jp/?p=14022
#96 K-tunes RC F GT3レポート
http://
#60 SYNTIUM LMcorsa GR Supra GTレポート
http://supergt.net/upload/2024_sgt_lmcorsa_report_04_Fuji_final.pdf
#30 apr GR86 GTレポート
https://supergt.net/upload/30_rd4_FSW_rep.pdf