2025 AUTOBACS SUPER GT Round2 FUJI GT 3Hours RACE GW SPECIAL
■レース概要
開催場所:富士スピードウェイ
開催日:2025年5月3日(土)~4日(日)
■オベロン スポンサーチームの結果
・GT500
| #17 Astemo CIVIC TYPE R-GT 予選9位 決勝12位 |
・GT300
| #96 K-tunes RC F GT3 予選21位 決勝13位 |
| #60 Syntium LMcorsa LC500 GT 予選9位 決勝15位 |
| #30 apr GR86 GT 予選25位 決勝16位 |
ゴールデンウイーク のイベントとして定着した富士スピードウェイでのSUPER GT第2戦。晴天が続いた両日合わせて今年も80,000人を超えるご来場がありました。行楽シーズンに首都圏からほど近いサーキットで子供を含めた幅広い年齢層にモータースポーツを体感していただけるこの大会は、車ファンを育む大切な機会の一つです。
第2戦は、開幕の300kmレース(約2時間)よりも長い3時間レース。給油を含めた2回のピットストップが義務づけられており、チームの戦略も問われる一戦です。また長時間レースになるので3人目のドライバーの登録が可能で、オベロンのサポートチームでも#60 Syntium LMcorsa LC500 GT、#30 apr GR86 GTが登録しています。
タイヤの交換は任意です。GT500は毎回交換(レーシングピードで2スティントは持たない)ですがGT300はタイヤを持たせられることがあり無交換で逃げ切りを狙う場合があります。一般的には無交換タイヤのタイム落ちと比べ、ロスタイムを含めてもニュータイヤのタイムの伸びしろのほう大きく、交換した方がポジションを上げられると考えられていますが、タイヤや天候、燃費・周回数、コース状況など色んな条件が無交換、あるいは2本だけの交換を有利にする場合もあります。
4月に行われた富士での公式テストは2日目こそドライとなりましたが温度が低く、どのチームもテストは足りていない状況で、セットアップやトラブルなどの心配は尽きません。
<5/3予選>
昨年富士で歯車の噛み合った速さを見せた#17 Astemo CIVIC TYPE R-GTですが、今年は開幕戦同様今ひとつ波に乗り切れていない様子。走り出しのフィーリングは良いのですがセットアップを進めていくとグリップ不足が目立ってきました。持ち込みのタイヤとコンディションが合っていないようで、燃料の量による車の重い状態でも軽い状態でも改善の兆しはなく公式練習では14番手、僅差で争われるGT500の予選を考えると苦しい仕上がりですが、Q1に向けフィーリングの改善を狙ったセットの変更とハードタイヤの選択で11番手を0.047秒上回り無事Q2に進出。僅かにタイムは伸びませんでしたが苦しい状態でもQ2をしっかりまとめて予選は9位に食い込みました。
#60 Syntium LMcorsa LC500 GTは4月の富士公式テストで感じられた手応えを求め、午前の走り始めでのマイナートラブル対応と合わせて行ったセットの変更で良い方向が感じられました。午前のタイムは14番手ですが、予選を想定しギリギリまで調整を続けQ1B組を9番手で通過。温度上昇を想定したセットということもありコンディションとのマッチングがさらによくなりQ2でタイムアップ、予選を9位で終えました。しかし同じタイヤメーカーの上位ライバルとのタイム差は大きくその結果には満足いきません。決勝は長丁場、確実にポジションを上げ上位入賞を目指します。
開幕よりBop(性能調整)の25kg増に加え20kgのSW(サクセスウエイト)を積む#96K-tunes RC F GT3は、昨年タイヤトラブルに泣いた富士ということもあり、この長丁場のレースへタイヤのライフを重視したセッティングで臨みました。予選でも決勝を見据え単発のアタックに向いているソフト寄りのタイヤではなく、連続走行で強さを発揮するハードよりのタイヤで予選に挑みました。アタック1本目でQ1B組6番手と好タイム、セクター1・2の高速区間が強みで最終アタックでもカットラインに対してマイナス表示を記録、ライバルのターボ勢に比べトルクの細いNAエンジンでセクター3の上りのコーナー区間をいかにまとめるかにかかりましたが、ブレーキングを頑張りすぎてしまいタイムロス、Q1敗退となり予選は21位となりました。
ミシュランタイヤを探りながらのセットアップの続く#30 apr GR86 GTは、練習走行を使って車のバランスを探りますが時間がたりず中々オーバーステア傾向を改善出来ません。予選前にも手を加えましたが根本的な解決とはいかずQ1敗退、予選結果は25位ですがヒントはあった様で決勝に向け改善に挑みます。
<5/4 決勝>
引き続きの快晴で沢山のお客様が詰めかけた日曜の富士スピードウェイ。ウォームアップではオベロンサポートの各チームは軒並み中段以降のタイムでしたが、#60 Syntium LMcorsa LC500 GTだけが6番手と一台気を吐き決勝に期待が高まります。大きな滞りなくスタート進行が進み、定刻の14時過ぎ雪化粧をした富士山をバックに3時間レースが始まりました。路面温度は38℃からスタート。ウォームアップのフィーリングが良かった#17 Astemo CIVIC TYPE R-GTでしたがスタート直後のペースが上がらずポジションを落としました。8周目に11番手争いで前にたつと10番手を追いますがストレート1本の差が中々詰まりません。1時間経過を前に続々と1回目のピットに向かうチームが増えだし8番手まで浮上した39周目、#17 Astemo CIVIC TYPE R-GTも1回目のピットイン。フルサービスにドライバーも交代、コースに復帰すると9番手集団の12番手でダンゴ状態に。ペースの上がらないハードからミディアムに変更したのですが今度のタイヤはピックアップの影響で徐々に前とのギャップが広がっていく我慢の展開。残り1時間を切った79周目に2度目のピットでドライバー交代とフルサービスを受け、全車がピットを終えた86周目には再び12番手に。今回のスティントは路面温度が5度ほどさがったためか、ピックアップは相変わらずですが車はフィーリングを取り戻しペース良く周回、93周目にはベストラップを更新するほどですが、すでにラップダウンされており順位はそのまま12位でフィニッシュしました。次回のセパンに向け課題をのこした一戦でしたがじっくり検討し上位フィニッシュを目指します。
#60 Syntium LMcorsa LC500 GTはオープニングの混戦が落ち着くと3周目には9番手を守りましたがそこからペースが上がりません。タイヤの特性からそれほど長く良いペースを維持出来ないことは解っていましたが、そのダウン幅は想定以上で防戦するので手一杯。苦しいペースでしたがそれでも20周まで11番手を守りました。21周目にフルサービスとドライバー交代でコースに送り出し24番手、1スティント目が短くなった分以降のスティントはそれぞれ40周以上走らないとならないためタイヤを労りながらペースアップ。それでも全車が1回目のピットを終えた43周目には11番手まで取り戻しておりスティント後半に期待が高まりましたが47周目最終コーナーを立ち上がったところでタイヤトラブル発生、ラッキーにもそのまま緊急ピットインできる位置でしたが、アンラッキーなのは無線トラブルでピットの用意ができていなかったためタイムロス。無事コースに復帰し25番手から再びポジションを回復していき75周目に15番手までもどしたところで3回目のピットイン、フルサービスとドライバー交代を行い23番手。この最終スティントは温度が下がった関係でペースが落ちましたが確実にポジションを回復、15番手まで戻し105周を走り切りチェッカー、辛くも2戦連続のポイントを果たしましたが不満の残る一戦となりました。セパンの前に対策を整えたいところです。
追い上げのレースを狙う#96 K-tunes RC F GT3は予選でフィーリングの良かったロングディスタンスに向けたセットアップでスタート。しかし高温となったコンディションのためかエンジンやタイヤが想定のパフォーマンスを発揮できません。途中FCY(フルコースイエロー)中に制御系のトラブルで前を走る車に接触してしまうトラブルがありましたが、レース再開後は早めのタイミングでピットに戻るライバルたちを横目に燃費を重視した走行に切り替え。5番手まで順位を浮上させた35周目にピットイン。ドライバーを交代し、苦戦したタイヤをソフト寄りに切り替えてコース復帰。時間経過とともに温度が下がることを想定したためでしたが想定より高い温度が続きストレートスピードや低速トルクに影響が出るなど厳しい戦いが続きました。前のスティントでのアクシデントのペナルティもあり一時は27番手までポジションを落としましたが、粘りの走りを続けることで11番手まで戻した72周目に最後のピットへ。タイヤは1スティント目のタイプを選択、ドライバーを交代し終盤戦に突入しました。最終コーナーで接触されスピンしてしまう場面もありましたが、この3スティント目は車のパフォーマンスが回復してきたこともありペース良く順調にポジションを挽回、終わってみればスタート時から8つポジションをあげた13位でフィニッシュ。こちらも2戦連続のポイント獲得となりました。
ギリギリまでセットアップを続けた#30 apr GR86 GTは、オーバーステア解消とまではいきませんが昨日からは大きく進化し、安定してアベレージを残せる所まで来ました。スタート直後の混乱をすり抜け20周目には19番手までポジションアップ。ところがFCYでタイヤが冷えると安定していたペースが崩れだし、グリップダウンが顕著となった30周目にピットイン。ドライバー交代とフルサービスを受け再び25番手からスタート、40周を目標に走りを組み立て、序盤はタイヤを労わる走り。GT300車両はGT3車両にくらべコーナリングスピードが速く、このスティントでは高速コーナーからヘアピンのブレーキングで前にでるような特徴的な走りで少しずつポジションを上げますが65周あたりからグリップダウンが目立ち始め71周目に13番手で2回目のピットイン。22番手でコースに復帰すると温度が下がり始めた路面に向け投入した低温レンジのタイヤが機能し再び安定したラップで周回、入賞まであと一歩の16位まで上げたところでチェッカー。確実な足取りで進化しており今後のテストが楽しみな一台となりました。
GT500は 開幕戦の序盤に大クラッシュした#38 KeePer CERUMO GR Supra がポールから飛び出すと終始一人旅、最後まで後続を寄せ付けない完璧な走りでチームに6年ぶりの優勝をもたらしました。
GT300は#6 UNI-ROBO BLUEGRASS FERRARIがなんと予選27位から猛追、ライバルたちのアクシデントもありましたが最終ラップでついにトップにたち劇的な初優勝を手にしました。
第2戦の応援ありがとうございました!絶好の観戦日和となりましたがいかがでしたか?オベロンのサポートチームは皆課題の克服に全力で取り組んでいますが、こんなとき皆様の応援から力をいただいていると実感できるものなのです。常に進化を求められるレースの世界で頑張るドライバー・チームにご注目ください、次回はようやく再開の運びとなった海外レース、6/27〜28の第3戦セパンです。海外のレースファンを魅了するパフォーマンスを楽しみにしています。次戦も#17 Astemo CIVIC TYPE R-GT、#96 K-tunes RC F GT3、#60 Syntium LMcorsa LC500 GT、#30 apr GR86 GTへの応援宜しくお願いいたします。
■公式リザルト
公式リザルト GT500
https://supergt.net/result?series=2025>_class=gt500&race_num=4&round=Round2
公式リザルト GT300
https://supergt.net/result?series=2025>_class=gt300&race_num=4&round=Round2
#17 Astemo CIVIC TYPE R-GT レポート
https://www.real-racing.jp/?p=14508
#96 K-tunes RC F GT3レポート
https://k-tunes.com/sokuho/shingle0002/
#60 Syntium LMcorsa LC500 GTレポート
https://www.as-web.jp/supergt/1208498
#30 apr GR86 GT
https://supergt.net/wp-content/uploads/2025/05/30_rd2_FSW_rep.pdf
