2025 AUTOBACS SUPER GT Round6 SUGO GT 300km RACE
■レース概要
開催場所:スポーツランドSUGO
開催日:2025年9月20日(土)~21日(日)
■オベロン スポンサーチームの結果
・GT500
#17 Astemo CIVIC TYPE R-GT 予選8位 決勝3位 |
・GT300
#60 Syntium LMcorsa LC500 GT 予選2位 決勝1位 |
#30 apr GR86 GT 予選27位 決勝13位 |
#96 K-tunes RC F GT3 予選20位 決勝DNF |
SUGOは今シーズン前に路面の全面改修を終えており、従来よりも骨材(主な構成要素の砕石などのこと)の荒いザラ付きが密度のつまったフラットな路面に張り替えられ、タイヤとのコンタクトもスムーズになりフォーミュラカテゴリーではコースレコードも更新されています。初レースとなるSUPER GTではタイムアップとなるでしょうか?中高速コーナーの連続なのでライン取りでチャンスを広げますがコース幅が狭くアクシデントも散見されSC(セーフティカー)が入ることになるとタイミングによってはラップダウン即勝負権を失ってしまうこともあります。コース幅が狭く抜きにくいので予選の順位も重要です。レースは通常フォーマットの300kmレース(84周)(GT500・!/3 28周)です。
<9/20予選>
午前の公式練習が始まる前に雨は上がりましたが、走りはじめはウエットタイヤからとなりました。しかし路面はどんどん乾いて行き、40分程でレコードラインが乾き、混走時間の終わる頃にはコース全体がドライコンディションになりました。ウエットでも感触は悪くなかった#17 Astemo CIVIC TYPE R-GTは途中ドライタイヤに変えてからも変わりなくタイム順も上位をキープ、専有走行最後のアタックではセッショントップを記録。しかし予選でその感触を高めようとした調整が少し振り過ぎていたようでQ1は6番手、Q2はベストなアタックとは行かず予選は8位となりました。
公式練習から好感触だったのは#60 Syntium LMcorsa LC500 GTも同じでした。走り始めのウエットタイヤはコンディションに合っていませんでしたが、ドライタイヤに履き替えると前回鈴鹿での好感触がよみがえり、セットアップが進むと順調にタイムは伸びていきました。途中コースアウトしてしまう場面もありましたが午前のタイムは5番手。B組となったQ1では最初のアタックで全セクターベストのトップタイム、連続2周目のアタックでもタイムを伸ばしトップ通過。Q2 でも最初のアタックでQ1のタイムを更新しトップに立ちますがタイムアップ寸前にアタックに入ったライバルに逆転を許し予選は2位。しかしその差は0.019秒と僅差なうえ今回から投入されたダンロップのニュータイヤの感触もよく決勝での走りに期待が高まります。
同じタイヤを履く#96 K-tunes RC F GT3はニューコンパウンドに好感触を抱きながらも走り始めがウエットだったこともあり、タイヤへの合わせこみがたらず公式練習では15番手。予選に向けセットアップを変更し午前中のアンダーステア傾向の解消を狙いましたが解決まではいかず、Q1A組では突破圏内を上下していましたが最終的には0.111秒足らずにQ1敗退。B組だと6番手相当タイムでしたがそこは組みわけの綾、決勝は20位スタートとなりますが手ごたえを感じるニュータイヤのロングランでのペースに期待して上位入賞を目指します。
走り始めのウエット路面で調子の良かったのは間違いなくミシュランを履く#30 apr GR86 GT。タイヤに対して水量は足りませんでしたが素直で良いフィーリング。しかしこれがドライタイヤに履き替えると逆戻り、アンダーステア傾向が強まりタイムが伸びびず公式練習は22番手どまり。予選に向けたアジャストは少し外してしまいグリップ感が薄くなり、午前のタイムを更新するもQ1突破ならず予選27位となりました。
<9/21 決勝>
コンディションは前日の気温21℃路温22℃から気温24℃路温32℃と変化し、予選時のタイヤを使用する最初のスティントはマッチングにずれが生じている車もあるはず。実際ウォーミングアップでグレイニング(ささくれの様にタイヤ表面が毛羽だった状態、グリップ低下の要因の一つ)の発生しているチームもあったようで、これはグリーン(雨で洗い流された路面)な状況からの走りはじめと新路面のタイヤへの負荷、事前テストが無かったことなど複合的な要因が考えられるようです。#17 Astemo CIVIC TYPE R-GTも路面と合っていない状態でスタートしましたが、アクセルワークなどタイヤマネジメントを意識したドライビングが功を奏しパフォーマンスダウンにとまどうライバル達を次々にオーバーテイク、16周目には4番手までポジションアップします。このあと予定より早めになりましたが1/3となる28周目に先陣をきってピットイン。40周目にはピットイン組最上位の4番手、全車がピットを終えた45周目には12秒差の2番手となりますが49周目に最終コーナーで大きなアクシデントがありレースは中断。直前にはトップまであと8秒と追い詰めましたが、後ろからは3番手が3秒差まで猛追中でレース再開後の攻防が厳しそうです。中断は約1時間続き、残り35周ではなく再開後30分でフィニッシュのタイムレースとなりました。整列しなおすため前後のギャップが振り出しにもどりSC(セーフティーカー)先導で再開、反応良く3番手とは差をつけながらリスタートできましたが直後にFCY(フルコースイエロー)がでて仕切り直し、再スタートすると今度はタイヤの温まっている3番手のペースが良く60周目の1コーナーでポジションダウン。残り時間5分でGT300とのからみでトップから4番手までがテールトゥノーズとなり、ワンミスの許されない緊迫の展開でしたが僅差で前には届かず#17 Astemo CIVIC TYPE R-GTは3位でチェッカー、今シーズンベストリザルトを記録しました。



ウオームアップでも2番手タイムと好調を維持している#60 Syntium LMcorsa LC500 GTは今回オープニングラップの1コーナーでスタートの良かった1台に並び掛けられますが慌てず2番手をキープ。2周目には3番手とのギャップを築きトップを追いかけます。6周目トップの背後にピタリとつけると翌周の1コーナーでオーバーテイク。トップに立ち後方を引き離していきますが、更に良いペースで#4 グッドスマイル 初音ミク AMGが追い上げ16周目には約2秒差まで詰まった直後にFCYが導入。直ぐに再開しますがテールトゥノーズに発展、バトルが始まると3番手に#56リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-Rが追いついてきて三つ巴の争いに発展しました。しかしそこでも冷静な走りでトップを譲ることはありませんでしたが、28周目先に動いてピットイン。替わってトップにたった#4 グッドスマイル 初音ミク AMGが先に延ばしたピット作業を終えたのは36周目、その時点でも#60 Syntium LMcorsa LC500 GTはピットイン組最上位をキープする6番手まで浮上、43周目に2番手まで戻したところで赤旗中断となりました。レース再開後のこり19分の52周目に全車ピットを終えると満を持してトップに立ちますが、赤旗で差がリセットされ2番手を走る#56リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-Rとのギャップは56周目に1秒まで縮まってしまっています。しかし#60 Syntium LMcorsa LC500 GTも57周目にファステストラップを記録して突き放し、そのままトップチェッカー!2021年以来となる優勝を手にするとともに前戦の雪辱を晴らしました。



決勝に向けさらにセットアップを深めた#30 apr GR86 GTはコンペティブで、26番手からスタートし抜きつ抜かれつのバトルを繰り広げながら17番手前後まで進出、早めにピットに入る車が出始めると徐々に順位が浮上し8番手となった33周目にピットイン。コース復帰後に19番手から1台ぬいたところで赤旗中断。レース再開後はトラブルを抱える車やピットを終えていなかった車を尻目に順位を上げ52周目には12番手まで進出、終盤に一つポジションを落としますが13位でフィニッシュ、今季初ポイントを上げました。ウエットで少しリズムがつかめたのかこの流れを残り2戦につなげたい所です。
#96 K-tunes RC F GT3は予選では出遅れましたが、決勝に向け再度アンダー解消にトライしたセットアップが効果を発揮し、ウオームアップでは10番手、レースでのアベレージが期待されます。実際スタート直後から上位と遜色無いラップタイムを刻み順当な滑り出しといえました。しかし7周目、バトルの中で加速の鈍った前を走るライバルにハイポイントでアウトから並び掛けたところ、はらんできたライバルに押し出される形でコースアウト。コースにもどると変わらないペースに胸をなで下ろしましたが、やがて水温が上がり警告灯が点灯、すかさずピットに戻りますが自体は深刻で、ラジエータに穴があいていた上コースアウト時に芝の窪みでアンダーフロアをヒットしフロアパネルにも損傷があり残念ながらその場でリタイアすることになりました。序盤でリタイアは残念ですが新しいタイヤの可能性や緊急時のメカニックの対応など得られることも多いレースでした。
GT500は 公式練習から良いペースを持っていた#24 リアライズコーポレーション ADVAN Zが決勝中にもスピードを発揮、レースを引っ張ってきた#39 DENSO KOBELCO SARD GR Supraを最終ラップで逆転して9年ぶりの優勝。
GT300 は、オベロンがサポートする#60 Syntium LMcorsa LC500 GTが追い上げるライバルをものともせず4年ぶりの優勝。LC500 GTでは嬉しい初優勝です。
第6戦も応援ありがとうございました!大きなアクシデントがあったことは残念でしたが、幸いなことにドライバーも無事でレースも最後まで行えました。今回はそこかしこでバトルを見ることができそういった意味で面白い大会だったのではないでしょうか。オベロンのサポートする各チームアンラッキーなところもありましたがそれぞれの頑張りが実を結び始めたように思います。残り2戦も変わらない応援ヨロシクお願いいたします。次回は10/18~19のオートポリスです。サクセスウエイトが半減し更なる混戦が予想されます、ご注目下さい!
■公式リザルト
公式リザルト GT500
https://supergt.net/result?series=2025>_class=gt500&race_num=4&round=Round6
公式リザルト GT300
https://supergt.net/result?series=2025>_class=gt300&race_num=4&round=Round6
#17 Astemo CIVIC TYPE R-GT レポート
https://www.real-racing.jp/?p=14835
#60 Syntium LMcorsa LC500 GTレポート
https://supergt.net/wp-content/uploads/2025/09/2025_sgt_lmcorsa_report_06_SUGO_final.pdf
#30 apr GR86 GT
https://supergt.net/wp-content/uploads/2025/09/30_rd6_SUGO_rep.pdf
#96 K-tunes RC F GT3レポート
https://k-tunes.com/shingle0024/