2026 AUTOBACS SUPER GT Round2 FUJI GT 3Hours RACE GW SPECIAL
■レース概要
開催場所:富士スピードウェイ
開催日:2026年5月3日(日)~4日(月)
■オベロン スポンサーチームの結果
・GT500
| #17 Astemo HRC PRELUDE-GT 予選9位 決勝9位 |
・GT300
| #96 K-tunes RC F GT3 予選15位 決勝10位 |
| #60 Syntium LMcorsa LC500 GT 予選7位 決勝16位 |
| #30 apr GR86 GT 予選20位 決勝21位 |
富士はハイスピードのセクター1・2が目を引きますが、そこにつなげる登りの低速セクションのセクター3との折り合いも重要です。トップスピードをのばす為ダウンフォース(走行時に空気の力で高める接地力、高めるとスピードが伸びない)を加減すると低速セクションでの接地力が落ちるのでメカニカルグリップ(サスやアライメントなどによる荷重コントロールと、タイヤの摩擦力による物理的な接地力)の重要度がたかまりますが、良く動く車体は高速セクションでダウンフォースの影響を受けやすいためそのバランスに各チームのノウハウが活かされます。
長丁場となる3時間レース(約500km)は2度の給油をともなうピットインが義務づけられています。3スティントを二人のドライバーもしくはこの大会ではもう一人登録が認められているため三人のドライバーで回していくことになります。二人の場合は最低でも1時間のドライブが必要で、交代の順番も2スティント連続走行を入れるのか毎回変わるのか、綿密な計画だけでなくコース上の流れやタイミングをみながらの対応も必要なドライバー・チームの総合力が試される一戦です。
<5/3 予選>
富士山の頂にはまだ多くの雪が残っていますが、5/2の搬入日からゴールデンウィーク大会らしいさわやかな快晴が続きました。予選日の走りはじめとなる10:30には気温22℃路面温度34℃からスタート。#17 Astemo HRC PRELUDE-GTは走りはじめから車のフィーリングが良く、路面温度が38℃まで上がっていく中で順調にセットアップが進み、午前の練習走行ではトップタイムを記録。しかし午後は日差しが弱まるとともに強い風が路面を冷やしQ1開始時に路面温度は27℃まで下がっており状況は一変すると、#17 Astemo HRC PRELUDE-GTは予選の中でタイヤ性能を引き出しきれませんでした。Q1をきわどく10番手で突破し再調整を施しQ2に臨みますがここでも思った様にタイヤを発動させることができず予選は9位、好調に見えた午前からするとちょっと予想外の結果でした。
#30 apr GR86 GTも走りはじめからフィーリングが良く、順調にテストプランを消化していく中で出したタイムは練習走行で4番手。予選でもスピードを発揮できると思われましたが、しかしQ1で大きく下がった路面温度の影響か、あるいは決勝を見据えたタイヤチョイスの影響か0.04秒差でQ2進出を逃してしまいました。予選は20位となりましたが、ただ車のバランスは良いので、長時間レースにマッチするセットを見つけられれば十分ポイントを持ち帰れるのではないでしょうか。
一方で#60 Syntium LMcorsa LC500 GTと#96 K-tunes RC F GT3の2チームは順調な走り出しとはいきませんでいた。
3月に富士で行われた公式テストで好感触を掴んでいた#60 Syntium LMcorsa LC500 GTは、決勝を想定したプログラムを中心に周回を重ねていましたが、テスト時と比較して特にリアのグリップ感が薄く、上りの低速コーナーの続くセクター3で出遅れている様子。そこを中心に調整を続ける中、公式練習の後半に良い方向性を見つけたことでようやく本来のパフォーマンスを取り戻し、Q1では最終コーナーで僅かにロスするもB組をトップ通過。Q2でも感触は変わらず得意のセクター1・2を好タイムでつなぎセクター3もうまくまとめて予選7位。2位までのギャップは約0.3秒の混戦模様で、決勝に向けてのセットがポジティブなこともあり長時間レースで上位進出を狙います。
開幕で発生していた異音は原因を特定し解決、ピット作業に関しても複数の場面を想定し体制を整えた#96 K-tunes RC F GT3は、ハイスピードセクションの良さに低速のセクションが追い付いていない様子でした。加速が必要な場面でエンジンのパンチ不足、コーナー進入でのオーバーステア(舵角に対して意図より内側に切れ込むこと)やABSのセッティングなど、タイムもさることながら競り合いの場面でも重要な要素の改善に取り組みました。午前中は24番手にとどまるもセットアップはギリギリまで続きQ1突破後もフロントのダウンフォースを調整、コーナリングスピードを生かす走りでタイムを削りましたがQ2ではライバルの方が伸びしろが大きく予選は15位。ポイント圏からのスタートです。
<5/4 決勝>
夜のうちに強い風をともなって降った雨は朝には上がり日差しも回復しました。すっかり洗いながされてしまった路面ですが温度はぐんぐん上昇し14時のスタート時には42℃に。前日の予選とは16℃も違いますがこの時間帯がピークと考えられ、風もあるためレースが進むにつれ下がってくるはずです。
予選後にさらにロングランを意識したセッティングに変更した#17 Astemo HRC PRELUDE-GTは、序盤2つ順位を落としますが、GT300に追いつきだすと混戦の中で自由度が高いのか1台ずつパスしポジションを回復していきました。15周目に9番手に戻すと21周目にもパスして8番手、その後ペナルティや1回目のピットにもどるライバルなどもでて6番手に浮上。スタートから丁度1時間となる40周目に1回目のピットイン、ペースの良かった第1スティントの流れを切らさない為ドライバーは連続走行となりました。全車が1回目のピットを終えた46周目に10番手、翌周1台リタイヤして9番手。しかし安定していたペースもスティントの後半になると陰りを見せました。路面温度も28℃まで下がりタイヤのピックアップが邪魔をしだした様子です。2度目のピットは残り約1時間となる73周目、フルサービスにドライバーも交代しています。全車が2回のピットを終えた89周目に9番手へ浮上しますが交換したタイヤでもピックアップが発生しペースが上げられません。前を走る8番手とは約2秒と見えているのですがこの差が縮まらずもどかしい周回が続きました。色々トライをしましたが残念ながら状況は変わらずそのまま9位でチェッカーを受けました。デビュー2戦目のマシンはまだコンディションやタイヤへのマッチングを探っている部分があるのかもしれませんが、開幕の段階からは確実に前進しており次戦にむけて時間もあるためさらなる前進が楽しみです。

ウォームアップでも4番手と順調に見えた#60 Syntium LMcorsa LC500 GTは苦戦しました。まずオープニングラップに後方からの接触で押し出され10番手に後退。手負いのマシンでポジションを守りますが10周を待たずにタイヤが音を上げ始め、メカニカルグリップが重要なセクター3でのペースダウンが著しく、高速セクションでの良さが生かせません。じわじわとポジションを落とす我慢の走りが続きました。そして16番手で迎えた26周目、空気圧低下のサインが表示されるとその周のセクター3に入るところで空気圧がゼロに。壊れたタイヤでなんとかピットに帰還、想定外のピットタイミングでドライバーは連続走行に変更しコースに復帰した時点で28番手。ニュータイヤで慎重に走るも予選での手応えは復活せず想定したペースに上げられません。スタートから2時間を迎えようという65周目に19番手で2回目のピットイン。ここでドライバーを交代し最後のスティントは22番手から仕切り直しです。路面温度もさがってきて状況が変わることを期待しましたが残念ながらグリップ感は薄いまま。後方のライバルからのアタックをなんとか防ぎながら16番手まで浮上しポイント圏を目前にしたところでチェッカー。予選まで掴んでいた手応えは決勝で十分上位を狙える物でしたが、それを失ってしまった原因をしっかり検証することによって次なるステップに繋げて行きたいところです。

予選での手応えが変わってしまったのは#30 apr GR86 GTも同じでした。オープニングラップの混戦で二つポジションを上げ続けて前を狙いましたがグリップダウンが想定よりも早く始まり気がつくと21番手まで後退していました。タイヤの状況とコース上の混み具合を見て予定より早めですが26周目に1回目のピットイン、給油とタイヤ交換だけして26番手でコース復帰しました。その後全車が1回目のピット作業を終えた時点で16番手に浮上しますがタイヤの状況は変わらずペースが上げられませんでした。15番手を走る場面もありましたがペースが厳しく、18番手となった62周目のピットイン。最後のスティントは前半が早めのタイミングだったこともあり長めのスティントになりました。26番手からのリスタートは良いペースで周回を重ねていきましたが、やはり今日のコンディションではロングランでのタイヤとのマッチングが足りない様子で、周回がすすむとアンダーステア(舵角に対して意図より大回りになること)症状が強くなりペースも頭打ち。さらに残り時間もあと僅か16番手走行中の100周目に違和感が出始めたフロントタイヤが壊れてしまい緊急ピットイン。コースに戻ることはできましたが23番手に後退です。最後二つ順位を戻すことに成功し21位でのフィニッシュとなりました。ロングランで課題を残す結果となりましたが方向性は見えており次戦でのチャレンジが楽しみです。
パワー感の薄い今の#96 K-tunes RC F GT3はダッシュ競争が苦手、スタート直後の混戦では遅れをとって序盤で24番手まで後退してしまいましたが、これは1回目のタイヤ交換を左2輪で済ませるため右タイヤをいたわりスムーズな走りを徹底しているためでもあります。ライバルのピットタイミングでポジションが11番手まで浮上した38周目にピットイン。予定通り左2輪交換とドライバー交代で短時間作業にくわえ、4輪交換よりアウトラップ(ピット作業後の1周目、タイヤ交換後の場合はタイヤが冷えているので通常はペースを上げられない)のペースが良く復帰後は19番手。全差が1回目のピットを終えた時点で12番手を走行していました。途中FCYの開けるタイミングで1台パスし、レースも折り返しを過ぎた54周目には上位のペナルティで10番手へポジションアップ。チェッカーまで残り1時間が近づくにつれ交換していない右タイヤの消耗が進みタイムが落ちてきたタイミングで2回目のピットイン、今度は4輪交換で前半とは違うソフト寄りのタイヤを使用してラストスパート。14番手で復帰し2周後の28周目に1台パスして13番手、その後ソフトタイヤに期待するタイムアップは得られませんでしたが上位陣と同等のペースで周回し、上位のピットタイミングとマシントラブルもあり10番手に浮上してフィニッシュしました。今大会は突出したスピードではなく総合力で手にしたポイントでした。次回の富士では今回の知見を活かしてセットアップを整理し更なる活躍を期待します。
GT500はトップを快走する#14 ENEOS X PRIME GR Supraを#36au TOM'S GR Supra2度目のピットでアンダーカット(ライバルより先に交換して稼いだニュータイヤのハイペースと、その間のライバルの旧タイヤタイム+ニュータイヤのアウトラップのローペースのタイム差を利用して前に出る作戦)しトップに浮上、後半はペースをにぎりそのまま独走で開幕2連勝を決めました。
GT300は予選6番手だった#56 リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-Rが中盤にトップに立つとライバル達のアクシデントを尻目に盤石な走りで3年ぶりとなる優勝を手にしました。
第3戦も応援ありがとうございました、SUPER GTは各チーム条件が違う中でも拮抗しており、わずかなボタンの掛け違いが大きな差にひろがります。今シーズンオベロンがサポートする4チームはまだぴったり噛み合ったレースを走れていませんが、部分部分で光るモノを見せており毎戦たのしみにしています。次戦も富士、同じサーキットで連戦はめずらしく2020年以来となります。時間もあるため今回の課題への対処によって、さらなる熱いレース(実際には「暑い」でしょうけど…)になるのではないでしょうか。8月1日〜2日の第4戦も応援ヨロシクお願いいたします!
■公式リザルト
公式リザルト GT500
https://supergt.net/result?series=2026>_class=gt500&race_num=4&round=Round2
公式リザルト GT300
https://supergt.net/result?series=2026>_class=gt300&race_num=4&round=Round2
#17 Astemo HRC PRELUDE-GT レポート
https://www.real-racing.jp/?p=15198
#96 K-tunes RC F GT3レポート
https://k-tunes.com/shingle0039/
#60 Syntium LMcorsa LC500 GTレポート
https://supergt.net/wp-content/uploads/2026/05/2026_sgt_lmcorsa_report_02_FUJI_final.pdf
#30 apr GR86 GT
https://supergt.net/wp-content/uploads/2026/05/30_rd2_FSW_rep.pdf
