2022 AUTOBACS SUPER GT Round2 「FAV HOTEL FUJI GT 300km RACE」
(2022 SUPER GT第2戦 FAV HOTEL FUJI)

■レース概要
開催場所:富士スピードウェイ/開催日:2022年5月3日(土)~5月4日(日)
(3日…晴/ドライ、4日…晴/ドライ)

■オベロン スポンサーチームの結果
・GT500

#17 Astemo NSX-GT予選5位 決勝2位

・GT300
#30 apr GR86 GT 予選4位 決勝8位
#60 Syntium LMcorsa GR Supra GT予選11位 決勝9位
#96 K-tunes RC F GT3予選2位 決勝7位

富士スピードウェイといえば屈指のハイスピードサーキット、国内最長のストレートからセクター2までサーキットのほとんどが高速区間、勿論テクニカルな低速区間もありますがスピードの伸びる特性を持つ車は有利です。GT500であればスープラ、新型になったZ、GT300ではGT3車両がその傾向だと考えられています。では他の車は勝てないのでしょうか?そんなことはありません。
今回の富士450kmレースは最低2度の給油ピットインが義務づけられていますが、同時にドライバー交代やタイヤ交換は行わなくても良いことになっています。勿論一人のドライバーは2/3のレース距離を越えて走ることはできませんが、タイヤ無交換や僅かな給油だけですませてタイムを稼いだり、スピードや燃費など車の特性の違いをピットタイミングでサポートしたりなど、かなり自由なピット戦略を立てることが可能で、各チームの特色が生かせる、一周の速さだけが勝利の条件ではないレースになっています。ちなみに富士はピットロードも国内最長でロスタイム(入って出るまでにかかる時間、これに作業時間がプラスされる)だけでも42秒と一番長いのでピットストップはやはり大きなポイントになりますね。

5/3予選
前日に春雨が濡らした路面もすっかり乾いたドライの予選日。SUPER GTでは予選を走ったタイヤでレースをスタートするので、決勝の戦略を考えながら予選上位を目指して戦わなければいけないのが難しいところ。さらにやや肌寒い予選の天候もアタックを難しくするかも知れません。
調子の良くなかった開幕戦から大幅に変更を加えてきた#17 Astemo NSX-GTは良い方向に向かっているとは言えまだまだ納得する線まで達していない模様、アタックに向けて慎重にウォームアップを続けていましたが、1周目のアタックで温まりが悪くタイヤを痛めてしまいQ1敗退、走路外走行の判定も受け予選は最後尾15位となりました。
こちらも午前の公式練習では路面コンディションとのマッチングに難ありの様子だった#60 Syntium LMcorsa GR Supra GTですが、予選前にくわえたセットアップの変更が功を奏しタイムアップ。ペースの速いB組の6番手でQ1を突破しQ2ではさらにタイムを伸ばすも予選順位は11位となりました。#30 apr GR86 GTは富士のテストの時には#96 K-tunes RC F GT3らに次ぐ最高速を発揮していましたが本戦ではやや伸びに欠けQ1突破成らず22位。開幕での大きなクラッシュをしっかり修復してきた#96 K-tunes RC F GT3はシーズンオフテストで見つけた相性の良いタイヤの構造もあり絶好調、Q1ではクラス最速の276kmを記録してトップ通過するとQ2でも富士の予選自己ベストの3番手に食い込み好調さをアピールしました。

5/4決勝
決勝の天候は快晴、前日よりも路面温度は高めで熱いバトルが期待されます。定刻通り14時30分450km100周先のゴールを目指してスタートが切られました。大きな混乱もなくスムーズなオープニングラップの中で#17 Astemo NSX-GTは順位を上げ帰って来ますがその後3周にわたって抜きつ抜かれつ、13位に落ちつくとGT300クラスをかわしながら1秒前を走るライバルを追いかけます。25周を過ぎると一回目のピットインをする車両が出始めますが#17 Astemo NSX-GTはコースに残ります。9位になった32周目ようやく訪れたチャンスを逃さず前を走るライバルを追い抜いて8位に。そして41周目2位走行中に一回目のピットイン。後半の戦略の為か長めに給油し13位でコースに復帰、タイヤも温まり追い上げようという矢先の43周目100Rを抜けたところでGT300の車両にアクシデント発生。FCYからSCになりますが、コース脇のクラッシュパッドの破損が大きく48周目に赤旗(レース中断)となりました。コース修復が完了した25分後SC先導で走行再開し52周目にリスタート。前とのギャップが振り出しにもどった状態なのですぐにドッグファイトが勃発、早々に上位が一台ペナルティで後退して12位に浮上しポイント圏内が見えてきた59周目、今度はホームストレートでGT500の車両にアクシデントが発生し直ぐに赤旗、ドライバーは無事ですが最高速付近でのアクシデントのためガードレールの破損が大きく修復に長時間必要となりました。レース再開は終了時間10分前の18時10分、結局SC先導での走行中に11位でチェッカーとなりました。最終的にはさらに上位でペナルティが発生し9位となりましたが周回数が75%を越えなかったためポイントは半分になりました。セットアップが決まり切らない中でしたが今回もポイントを獲得できたことは幸いでした、NSX-GTと相性の良い次戦鈴鹿での巻き返しに期待がかかります。

予選で調子の良さを取り戻した#60 Syntium LMcorsa GR Supra GTは3周目5周目に一台づつパスし9番手、前を走るGT3車両を追いますがライバルはストレートが速く中々チャンスがありません。そこで早めのタイミングの20周目に1回目のピットインを敢行し膠着状態の打開を狙います。ドライバーはそのままでフルサービスを受けた#60 Syntium LMcorsa GR Supra GTは23番手でコースに戻ると翌周から自己ベストを更新、ハイペースで周回を重ねます。ようやく上位のピットインがはじまると順位が浮上、34周目には一台パスして12位、38周目には8位ですが上位にはまだピットインしていない車両もあり実質5番手、このあと一回目の赤旗があり解除前のSC中に実質4位に浮上して表彰台が見えてきましたが、リスタート直後他車に接触され9位までポジションダウン、慎重に周回を重ねますがバランスを崩した車の修復をかねて2回目のピットイン、17位から後半ノンストップで追い上げる心意気でしたがまもなく二回目の赤旗がでて結局17位でフィニッシュとなりました。上位フィニッシュが現実味を帯びていたことを考えると残念な結果ですが、ペース良く戦えるセッティングを見つけられたことは次につながる明るいニュースとなりました。

#30 apr GR86 GTの完成度が高いとは言え、勝負となるとよりピンポイントなマッチングが必至です。そのためにも開発を進めなければならないのですが2週半のインターバルは短かったのかもしれません。今回は長距離レースのため認められている3人目のドライバーに昨年#96 K-tunes RC F GT3でスピードを見せた若手の平良選手を起用、レース終盤の切り札と成るか注目でしたが、前述のとおりレースが途中で終わってしまったため残念ながら本戦走行は次回に持ち越しです。レースはスタート直後のつばぜり合いを制して順位をキープ、早速動いたチームやトラブルの車もあり6周目には18位に浮上。その後レースは落ち着いた様相をみせますが、再びピットインする車が増えてきた28周目15位走行中の#30 apr GR86 GTも一回目のピットイン。25番手でコース復帰した後は上位のピットインにあわせてポジションを上げていきますが、前を追い越すにはもう一つスピードが足りない様子、一回目の赤旗が解除された時点では19位、再開後上位のピットインもあり18位となったところで二度目の赤旗が出てそのままの順位でチェッカーとなりました。荒れたレースでしたが今回もノートラブルで走り切り今一番大切なデータ蓄積ができました。ホームコースの鈴鹿ではさらに成長した86をご覧いただくためにチームで力を合わせていきます。

#96 K-tunes RC F GT3はキレイなスタートでポジションをキープしてレースに入りましたが10周あたりからペースが苦しくなってきたため6位走行中の25周目に一回目のピットインをしフルサービスでドライバー交代後22番手でコースに復帰すると早々にスピードを取り戻しました。上位のピットインの度にポジションをあげ一回目の赤旗の時には実質8位まで浮上、リスタート直後に一つポジションを上げ7位となった所で二度目の赤旗が出てそのままの順位でチェッカー、上位にペナルティがあり最終的には6位今シーズン初ポイントゲットです。#96 K-tunes RC F GT3は富士での11レース目にして予選決勝共に自己ベストを記録するなどチーム一丸となっての取り組みが実を結んだ形です。次回の鈴鹿は得意なコースなので更なる活躍が楽しみです!

今回の勝者はGT500が3位でチェッカーを受けた#8 ARTA NSX-GTが上位のペナルティで繰り上がり優勝。GT300は序盤にトップに立つと常に有利な位置で戦った#10 TANAX GAINER GT-Rが逃げ切りました。

第2戦はチーム戦略で終盤のドラマチックな展開になるか、と思われた矢先に大きなアクシデントが続き中途半端な幕切れと成ってしまいました。そんな状況でも皆ケガもなく無事にレースが出来たことは不幸中の幸いでした。またお客様からの暖かい励ましをいただけたことに心から感謝もうしあげます、ありがとうございました。さて開幕から好調の#96 K-tunes RC F GT3をはじめ結果は悔しさもある#17 Astemo NSX-GT と#60 Syntium LMcorsa GR Supra GTも開発の進む#30 apr GR86 GTも5/28~29の鈴鹿に向けて手応えを感じている模様です。次回も是非オベロンサポートチームの活躍にご注目ください!応援よろしくお願いいたします!

公式リザルト
https://supergt.net/results/index/2022/Round2
#17 Astemo NSX-GT レポート
https://www.real-racing.jp/?p=12248
#96 K-tunes RC F GT3レポート
http://supergt.net/upload/96_GT2022_Round2_%E6%B1%BA%E5%8B%9D-5.pdf
#60 SYNTIUM LMcorsa GR Supra GTレポート
https://www.osaka-toyopet.jp/otg-ms/super_gt_lmcorsa/report/4064/
#30 apr GR86 GTレポート
https://supergt.net/upload/2022%20Rd.2%20Report%2030.pdf