2022 AUTOBACS SUPER GT Round8 「MOTEGI GT 300km RACE GRAND FINAL」
(2022 SUPER GT第8戦 MOTEGI)

■レース概要
開催場所:モビリティリゾートもてぎ
開催日:2022年11月5日(土)~11月6日(日)
(5日…晴/ドライ、6日…/晴れ/ドライ)

■オベロン スポンサーチームの結果
・GT500

#17 Astemo NSX-GT予選10位 決勝5位

・GT300
#30 apr GR86 GT 予選22位 決勝 リタイヤ
#60 Syntium LMcorsa GR Supra GT予選19位 決勝11位
#96 K-tunes RC F GT3予選15位 決勝6位

最終戦は300km(63周/GT500)であらそわれ、ドライバー交代と同時のタイヤ4本の交換が義務となっています。ドライバーの周回数の規定を鑑みるとGT500だと21周から42周までの間に義務のピット作業を終える必用があります。そして8戦目となる車両はSW(サクセスウエイト)の適用が無くなります。
コロナ以前のスケジュールのように最終戦にもどったもてぎ戦、寒い時期は変わりませんが距離が250kmから300kmに伸びました。この伸びた50kmが、最近の傾向である早めにピットインして後半長く走る戦略でのタイヤの持ちや燃費に効いてくるかも知れません。またストップアンドゴーの多いもてぎではコーナーからの立ち上がりからスピードを乗せていくトルクとレスポンスが武器になります。パワーに強みのあるFIA-GT3が比較的得意とするサーキットと考えられます。勿論タイヤを含めたクルマのバランスやチーム戦略などにより300km先のゴールラインを真っ先に通り抜ける為の絶対条件ではありません。ただ今回はタイヤ4本交換の義務化もあり戦略の幅は少し狭いかも知れません。

<11/5 予選>
安定した快晴で絶好のモータースポーツ日和。オーバーテイクし難いもてぎでは予選上位からスタートすることが重要なため各チーム走りはじめから力が入ります。
優勝すればライバルの順位に関係なくチャンピオンとなるGT500 #17 Astemo NSX-GT ですが、公式練習の走りはじめから車のバランスが思っていたようになりません。事前に行われたもてぎでのテストではフィーリングも良く、その時のセットから走りはじめましたが同じフィーリングを得ることが出来ません。予選に向けて手を尽くしましたがQ1では0.196秒足りずに敗退、決勝は10番手からスタートすることになりました。難しいレースになりそうですがチャンスはまだあります。
GT300の3チームはチャンピオン争いからは外れてしまいましたが、最終戦で一矢報いたいところです。#60 SYNTIUM LMcorsa GR Supra GTは持ち込みのセットの感触も良く、決勝に向けたテストを繰り返しましたがパフォーマンスがすこし足りない様子で、予選B組のQ1を突破できませんでした。決勝は19番手からとなりますが、決勝のペースはライバル達と同等との感触を得ており、チーム一丸となって粘り強く上位を目指します。
#96 K-tunes RC F GT3は午前の公式練習でも6番手タイムと好調で、Q1B組を5位で突破し決勝でも上位スタートを狙えるフィーリングでしたが、Q2での赤旗の影響でアタック時間が短縮。クリアラップが難しい混雑した状況で前の車の動きを避けた際に単独スピンを期してしまい万事休す。ウォーミングアップ中のタイムが記録となり予選は15位となりました。しかしマシンの状態は悪くないので決勝での巻き返しに期待です。
#30 apr GR86 GTの走りはじめはセットアップの方向性に迷いが出ましたがセッションが進むにつれて状態がまとまってきました。まだパーフェクトには届きませんが予選に向けてドライバー二人のタイムも揃ってきました。公式予選が始まると入念にウォームアップを行いタイムアタック、午前のより大幅にタイムアップするもQ1A組のカットラインに0.4秒足りず惜しくもQ1敗退。やはりFIA-GT3のタイムの伸びが良くA組のJAF勢(GTA-GT300・GT300MC)はQ1を突破できていません。B組からは4台のJAF勢がQ2に進みました。#30 apr GR86 GTは決勝22位からのスタートですが流れは悪くありません、もてぎで後方からは簡単ではありませんが更にセットアップを煮詰めて決勝に挑みます。

<11/6 決勝>
10番手スタートのGT500 #17 Astemo NSX-GTはランキング3位。すくなくとも上位の2台、ランキングトップで予選4位の#3 CRAFTSPORTS MOTUL Zと、ランキング2位予選3位の#12カルソニック IMPUL Zの前でフィニッシュすることが目標です。レースは予選の速さだけが決め手ではありません、チームの戦略、ピット作業、ドライバーのがんばりと出来ることはまだあります。チーム一丸となってポジションアップを目指すためミーティングを重ねて決勝を迎えました。
日曜13時決戦の火蓋が切られました。オープニングラップで早速2つ順位をあげ気を吐くと、5周目あたりからGT300に追いつきだしトラフィックがよどんだ隙を狙ってさらに前をうかがいます。すると8周目#30 apr GR86 GTがGT500車両に接触されたことに端を発する多重クラッシュが発生、GT500にも複数リタイアが出るなどしましたが幸い#17 Astemo NSX-GTは無傷。最終戦は思い切りの良い走りが多くみられるので、熱い中にも冷静な走りが重要です。コース上ではFCY(フルコースイエロー)からSC(セーフティーカー)に切り替わったことで前とのギャップが一気に縮まりました。この時点で#3 CRAFTSPORTS MOTUL Zはオープニングラップでのペナルティをうけて12番手まで後退、さらにこのSC中に大きな接触トラブルがありSCか中々あけませんでしたが#17 Astemo NSX-GTは4位までポジションを上げており、しかも前を走るのはターゲットの#12カルソニック IMPUL Z。20周目ようやくレース再開するやいなや抜きつ抜かれつのバトル開始。ミニマムの周回数がすぎた24周目#17 Astemo NSX-GTはピットイン。コース復帰直後の混戦を想定したやわらかめのタイヤをチョイスしパーフェクトな作業でコースにおくりだしました。ライバルの前でレースに復帰できるか?残念ながら#12カルソニック IMPUL Zの後ろ、背後には追い上げてきた#3 CRAFTSPORTS MOTUL Zというポジションです。アウトラップ早々に背後から激しくプレッシャーをかけられますがこれを振り切り追撃態勢を整えます。37周目全車がピットをおえたところでポジションは4位、#12カルソニック IMPUL Zとはバックストレート半分の差ですが中々詰まりません。逆に一度は振り切った#3 CRAFTSPORTS MOTUL Zがじわじわ迫ってくるとタイヤの消耗か今度は抑えきることができずポジションダウン。このまま終盤を迎え5位でチェッカーを受けました。最後は力負けしたとチームは考えているようですがその差は僅か、今シーズンの高速コースでの強さに加え、低速コースでのヒントをつかめれば来季は念願のチャンピオンが現実のものとなるのではないでしょうか。もう来シーズンが楽しみです。

予選では僅かにスピードが足りなかった#60 Syntium LMcorsa GR Supra GTもスタート直後から積極的に前を攻め立てるも混雑の中で21番手にポジションダウン、しかしテールトゥノーズで追いかけると7周目に1台をパスさらに追い上げていく場面で序盤のクラッシュが発生。幸い被害はうけずにレース再開を待ちます。この間ピットに入った車があり14位に浮上。レース再開と同時にこのタイミングを逃さずピットイン。素早い作業でピット同時に入ったライバルよりも早くコース復帰。20位でコース復帰すると25周目に自己ベストを記録しながら19位に浮上、34周目までに16位、全車がピット作業を終えた38周目には14位に戻します。50周目には11位となりポイント圏が見えてきますが、コーナーで追いついては立ち上がりで引き離される事の連続で抜ききれずこのままの順位でチェッカー。しかし苦戦したGTA-GT300の中では2番手という結果は胸を張って良いのではないでしょうか。昨年は初年度ながら2勝しさらなる躍進を目指しましたがBoPを攻略しきれず迷いの中でのレースが続きました、それでも高い士気にくわえデータの蓄積とダンロップタイヤと共に来季はパッケージのさらなる進化を目指します。

予選で#96 K-tunes RC F GT3は決勝を睨んだタイヤ選択をしていたこともありスタート前から手応えを感じていました。はたしてスタートするとオープニングラップで2台をパス、次を伺っているところで序盤のクラッシュとなります。ミニマムでドライバー交代する予定だった#96 K-tunes RC F GT3もレース再開のタイミングに合わせてピットイン。21位でコースに復帰したあとは予想どおりペース良く着実にポジションを上げていきます。全車がピットを終えた時点で7位となると42周目には5位まで上がりますがその後ペースが鈍りはじめ7位までポジションダウン。しかし最後に1台をパスして6位をつかみ取りました。今シーズンの目標の表彰台には届きませんでしたが6回の入賞と安定した成績を残す事が出来ました。来シーズンも今回のようなドライバー・ピット・戦略がかみあった強いレースを闘いたいと思います。

#30 apr GR86 GTはウォームアップでもフィーリングは良くスタートからポジションをキープしながら前を追いかけます。やがてペースが上がらない車両に追いつきますが抜きにくいコース故慎重に前を伺いました。6周目からGT500の集団に追いつかれだすと先に行かせながらも勝負に集中します。しかし8周目の3コーナーで後方から来たGT500に押されてしまいバランスを崩した所で後続と衝突、ダメージが大きくそのままリタイアとなってしましました。最後まで走りきれず残念な最終戦となりましたが、新型投入初年度で表彰台に登ることができたなど手応えのあるシーズンでした。オフの間のアップデートで来季のさらなる戦闘力アップに期待が高まります。

GT500は#100 STANLEY NSX-GTがポールスタートからトップを守り今シーズン初優勝。2位に入った#12カルソニック IMPUL Zがシリーズチャンピオンを獲得、IMPULは27年ぶりの戴冠です。
GT300も序盤のNSX同士のトップ争いから抜け出した#55 ARTA NSX GT3がポールトゥウイン。シリーズチャンピオンはレース中トラブルもあり一時は絶望かと思われた#56 リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-Rが奪還しました。

第8戦の応援ありがとうございました。惜しくも#17 Astemo NSX-GTはチャンピオンに手は届きませんでしたがあと一歩のところまで進めました。今シーズンを振り返りあと一歩踏み出せる力をつけて再びチャンピオンを目指します。結局今シーズンは2勝するチームはなくまさに群雄割拠のGT300では#30 apr GR86 GT、#60 Syntium LMcorsa GR Supra GT、#96 K-tunes RC F GT3がコンマ1秒のために努力を惜しまない姿勢でのぞみ、それを暖かい応援でもり立ててくださる皆様のおかげもあって無事にシーズンを乗り切ることが出来ました。ありがとうございます。
更なる上位をめざす各チームの来シーズンのチャレンジにご注目いただきたく、そして変わらぬ応援よろしくお願いいたします!

公式リザルト
https://supergt.net/results/index/2022/Round8
#17 Astemo NSX-GT レポート
https://www.real-racing.jp/?p=12857
#96 K-tunes RC F GT3レポート
http://supergt.net/upload/GT2022_Round8_%E6%B1%BA%E5%8B%9D.pdf
60 SYNTIUM LMcorsa GR Supra GTレポート
http://supergt.net/upload/2022_SGT%E2%99%AF60_Report_rd.8_motegi_final.pdf
#30 apr GR86 GTレポート
https://supergt.net/upload/2022%20Rd.8%20Report%2030.pdf